韓国サムスン社長に会長の長男、3代世襲へ盤石体制
韓国を代表する世界的企業、サムスングループが世襲への移行作業を着々と進めている。
李健煕(イ・ゴンヒ)会長(68)の一人息子で中核企業のサムスン電子副社長の在鎔(ジェヨン)氏(42)が社長に昇格することを12月3日に発表。創業者で健煕会長の父の故・李秉喆(イ・ビョンチョル)氏から始まる3代世襲への布石との見方が多い。
健煕会長は、不正資金問題で起訴され、2008年に辞任したが、今年3月に会長へ復帰したばかり。今回の人事では、信任が厚い崔志成(チェ・ジソン)社長(59)も副会長に昇格させ、グループ経営の司令塔役を担う「未来戦略室」も設置。強固なファミリー帝国を築くため、地盤作りに余念がない。
ただ、世襲レースは混沌としそうだ。
在鎔氏は慶應義塾大学に留学経験があり、日本語も堪能。1991年にサムスン電子に入社し、ソニーとの液晶パネル合弁にもかかわるなど、帝王学を身に付けてきたが、今回の人事でも在鎔氏には代表権が付かなかった。
肩書は社長兼最高執行責任者(COO)。副社長時代のCOOと変わらないのだ。そのため、ソウル財界関係者からは、「在鎔氏はまだ試験期間中」との声が漏れる。代表権のある李会長と崔副会長がグリップを握りながら、在鎔氏をサポートしつつ、どの段階で経営権継承に向かうかが注目される。
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