私にも覚えがありますが、「妊娠したのだから仕方ない」「そういうものだ」と、アクションもせずに自らを納得させようとし、評価を聞く怖さから逃げることもまた、大切な機会を逃しているような気がします。
悪質なマタハラを撲滅し、安心して「妊娠・出産」しながら働けるようにしていくということは、たいへん重要なことだと思います。一方で、サラリーマンとして企業の重要な戦力であり続け、自らも社会で成長し続けるために、会社との信頼関係を見つめ直し、自分に「それは本当にマタハラか」と問うてみる、そういうスタンスもまた、必要ではないでしょうか。
悪質なマタハラには、もちろん声を上げよう
コミュニケーションしてもやっぱり、きちんと人事の背景が説明できない会社、妊娠だけを理由に進退を迫ってくる上司など、悪質なマタハラは存在すると思います。それをあなた自身が確信したとしたら、上司との直接対決はあまり意味がないでしょうね。とんちんかんな上司であることは必定だから、現実はきっと何も変わらない。それ以上話すことなどありません。
上層部や上司の発言は、レコーダーに録音できなかったとしても、すぐに時間や内容をそのままに記録し、人事、組合やコンプライアンス関連部署、または経営トップや社外の信頼できる人(弁護士やユニオンなど)に相談してみるべきです。きっと正しい解決策が提示されると思いますし、心ない対応をしようとした上層部も、あらためて自分の非に気づくと思います。やはり、声を上げることでしか、世の中は変わっていかないわけですから、そこで起こる軋轢を考えすぎずに、きっちりと主張すべきでしょう。
「これはマタハラじゃないか」「あのときのあの人事はマタハラだったのでは……」と自分だけで考え続けて、解決しようとしないでいることが、いちばんよくない気がします。出産して復職してからも、そんなことがたくさん起きるかもしれません。一つひとつのそんな機会に、自分と向き合って、自分でアクションして、問題をクリアにしていきましょう。そういう行動こそが、多くの後輩女性の道を作っていくのだと、私は思うのです。
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