「女性は被害者!」という思考が持つリスク それはハラスメントか、マネジメントか?

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それこそ妊娠とは別の問題ではありましたが、考えれば考えるほど、事業責任者の仕事は「得意でない」だけでなく、「好きではない」ことにも気づきました。ポジションではなくミッションにわくわくする自分にも出会えましたし、会社以外に自分の居場所を見つけることもできるようになり、人としての成長も目指せるようになりました

サラリーマンとして、敗者復活戦に臨むことだってできたはずですが、私はそれをしなかった。それも自分でした選択であり、今、自分の力と経験だけで仕事をしていくことを決断できたのも、この人事があったからこそだと思います。私に将来を考えさせるきっかけをくれたこの人事に、今はもう心から感謝しています。

「マネジメント」か「ハラスメント」か見極めよう

長くなってしまいました。あなたの場合はどうでしょうか。あなたを「今の役職を解かれるかもしれない理由」について、上司から妊娠の事実と「分けて」説明されましたか? それも、あなたに納得感のある、あなたの日常の仕事やそのパフォーマンスについて触れ、きちんと評価をフィードバックしようとしているようでしたか?

私は、会社や上司が行うマネジメント・人事に対する信頼感がすごく大事だと思っています。その信頼感がなければ、泣き寝入りしたところで復職後も、「ワーキングマザーだからか?」「時短を取得したからか?」と悩んでしまう日は続き、居づらさは解消されないのではないでしょうか。

上司から言い出さなかったとしても、こちらから理由の説明を求めてみるべきです。そこで得られるあなた自身の納得感が、「評価」なのか「ハラスメント」なのかを分けるような気がするからです。

自分の評価を真っすぐ聞くことは、とても怖いことですね。少なくとも私は、自分から上司にペラペラ自分の課題を話して、「ちゃんと自分でわかってますアピール」をしてしまうくらい、怖かった(笑)。

「チャンスを生かせていない」「パフォーマンスが期待以下だ」とはっきり伝えるのは、実は伝えるほうもとても怖いものです。でも、本気で育成しようと思っていたら、必ず伝えなければならない事実。そのコミュニケーションの真ん中に「妊娠」が割って入ってきて、「妊娠したからか」と思わされたり、「マタハラと思われる」と考えたりされるのは、とても残念なことだなぁと思うのです。

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