――日本で英語を勉強してきているお子さんでも同じですか。
日本での英語の勉強は日常会話レベルがほとんどで、多くのお子さんが読み書きの力が足りません。しかし学校の勉強となると、リーディング、ライティングが中心となります。話はちょっとズレますが、英会話を目的に留学させたいという方もいらっしゃるのですが、学校での勉強の最終目的は、英語がペラペラになることではなく、ネイティブと同じ内容の学問の試験を受けて進学したり、資格を取ったりすることになります。
高ければよい、とは限らない
――値段が高い学校のほうが教育の質が高いのでしょうか。
学費が高いほうがいいかというと、一概にそうとも言い切れないのです。学費の高い学校にも、いい面と悪い面があります。たとえば、一概に施設が立派で、先生も生徒も欧米系の人が多く、そのため、英語に関しては、キレイな発音が身に付くのはメリットのひとつです。先生の人数も生徒に対して手厚く、サポートの教師がいて手助けしてくれたり、探求型のユニークな授業を行っています。iPadなどを取り入れた先進的な授業をする学校もあります。また、スポーツや芸術面も充実しています。
一方で、学習速度がのんびりしていて、試験や宿題がない学校もあり、それについて不満を持つご両親もいます。生徒には駐在員のお子さんが多く、そのため生徒の入れ替わりは激しいです。白人率が高い学校では、マイノリティである日本人が差別を受ける可能性もあります。さらにおカネ持ちの家庭の子が多い学校だと、生徒が先生をバカにしているという話も聞いています。おそらく、日本の進学校から来たようなお子さんだと、学習面でもの足りないでしょう。
――100~180万くらいの学校はどうですか。
このクラスには新しいインターが多く、施設はそこそこ充実しています。生徒はローカルが増え、外国人にもアジア系の留学生が多い。宿題が多く、勉強の進みが早いのが特徴です。ただ、新設校は、施設が立派なのはいいのですが、開校当初は学校の運営が迷走したり、先生たちの経験が足りなかったりということもおきているようです。
ローカルの間で評判がいいローカルインターもこの価格帯にあります。特に、中国系マレーシア人に評判の学校は、どこも学習の進行速度が早く、従来型の詰め込み式の傾向があり、勉強が得意なお子さんにしかおすすめできません。なかには、1年先取りしている学校もあります。もっとも、こうした学校は英語面から日本人は門前払いになる可能性が高く、ほとんどいないのが現状です。
――100万以下の学校はどうでしょう。
学費が安くなればなるほど、ローカルの比率が先生も生徒も上がり、施設の質が下がる傾向にあります。先生も生徒も「マングリッシュ」と呼ばれる訛りのある英語を話すため、子どもの英語が訛る可能性があります。
また、先生の給与が低いせいか、モチベーションが低い先生がいることもあるようです。 ただ、勉強内容に関しては100万~180万クラスの学校とあまり変わらず、早く授業を進めているところもあります。なお、ローカルの多い学校ほど先生が厳しく、体罰があったり廊下に立たせたりします。ただ、前述の竹クラスと同様で、英語力がないと入れない学校が多く、特定の学校に日本人が固まりやすく、英語強化クラスは日本人ばかり、という不満をよく聞きます。
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