「グリーは、ずっとダメな会社と言われてきた」 創業10年、過去・現在・未来を語る(2)

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田中良和(たなか よしかず)●グリー社長。1977年2月生まれ、日本大学卒業後、ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソネットエンタテインメント)、楽天を経て2004年にグリーを創業した(撮影:風間仁一郎)
グリーは2014年12月7日に設立10年の節目を迎える。ソーシャルゲームの雄として、ピーク時の2012年6月期には売り上げ1582億円、営業利益827億円を叩きだした。しかし、その後は海外拠点の閉鎖、希望退職募集などを実施するなど事業再構築に追われた。拡大一辺倒だった事業体制から、フォーカスを絞り込む方針へと移行し、現在に至っている。
大きな山と谷を経験した田中社長に、過去10年のこと、現在のこと、今後の展望について聞いた。長いインタビューなので、4話に区切り、4日連続でお届けする。第2回目はモバイルシフト後のグリーについて聞く。

 

山田:2006年に携帯版GREEへ乗り出したわけですが、当初はゲームプラットフォームではないですよね。

田中:当時のSNSはPCがメインで、携帯はPCが使えないようなときに、ちょっとチェックをするもの、という補助的なものだった。でも、そうではなくて、携帯電話だけで完結するようなSNSにつくり直すんだということではじめました。

同時に、もっとマスに受け入れられるようなコミュニティサイトにする必要があるなと思ったんですね。携帯はPCよりももっと母数が多いはずだと思ったんです。そこで、エンターテインメント性を付加したほうがいいなと思ったので、じゃあ、これはゲームとSNSを合体したサイトにしようということで、今のソーシャルゲーム的なのが始まったのが2007年です。

山田:開発のときにモバイルファーストというか、モバイルが中心でそこをメインにする、という発想になったのは、かなり早いですよね。いつからそうなったんですか。

2005年からモバイルファースト

田中:2005年ぐらいからそうなりました。

山田:フェイスブックが、モバイルファーストとなったのは2012年ですから相当、早い。

田中:ほかよりも早かったという思いはあります。フェイスブックは同じ2004年の創業です。そして僕らが釣りのゲームなんかをつくった頃に、(フェイスブックのプラットフォームで大ヒットしたSNSゲームの)ZINGAが現れた。場所も時間も違うんですけど、なぜかフェイスブックとは同じような時系列をたどっているんですよね。

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