グノシー、24億円集めた代表退任の「不可解」

ニュースアプリの先行者は前期赤字で終わる

8月28日付でグノシーから去った木村新司氏。木村氏の胸を去来するものとは

スマートフォン向けニュースアプリを手がける「Gunosy(グノシー)」は、9月4日、代表取締役兼共同CEOである木村新司氏の退任を発表した。退任は8月28日付け。今後は代表取締役の福島良典氏が単独CEOとなる。

2012年11月創業のグノシーは、KDDIなどからの出資で、今年6月までに総額24億円を調達。潤沢な軍資金で、3月から始めたテレビCMなどの広告宣伝に累計10億円以上を投下した。その効果もあってか、アプリのダウンロード数は約500万件と、ニュースアプリの中では目下最多を誇る。

資金調達の指南役だった

木村氏は2007年にスマホ向け広告配信のアトランティスを創業。2011年にグリーに売却した後、個人投資家として、グノシーやソーシャルリクルーティングのWantedlyなどへの投資活動を行ってきた。13年11月にはグノシーの代表取締役に就任。自らの経験を生かし、今年の資金調達を指南してきた。20代の若手社員が多いグノシーの中で、30代で年長の木村氏は精神的支柱だったとされる。

ならばなぜ、このタイミングで退いたのか。

会社側は「資金調達などを実現したので任期満了で退任した」との説明にとどまる。だが資金調達を無事終え、これから海外進出も含めた事業展開のアクセルを踏もうという矢先にグノシーを去るというのは、どうしても不可解に映る。

退任のタイミングとして想起されるのは、8月29日に官報で明らかになった2014年5月期の決算だ。売上高3.6億円の一方、営業赤字は13.6億円を計上。採算を圧迫したのは販管費16億円であり、その大部分をテレビCMなどの広告宣伝費が占めた。

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