「グリーは、ずっとダメな会社と言われてきた」

創業10年、過去・現在・未来を語る(2)

山田:もし社長が不安がっていれば、下は焦るでしょうね。

田中:ゲームビジネスはエンターテインメントビジネスなので、あんまり一喜一憂してもしょうがないと思うんですよ。逆に経営としてやるべきことは、きちんとした財務基盤を用意していく。そうすればゲームをつくり続けられる。つくり続けることができれば、ヒットが出てくる。継続できるような会社の仕組みにしていくことが、経営の仕事なんだと思います。

山田:そういう意味で、グリーは今、事業の柱をたくさんつくろうとしています。

田中:前提として、このモバイルゲームビジネス自体は、今後も成長するビジネスだと思うし、まだまだ終わりがないとは思うんです。数年前みたいな、1年間で5倍、10倍になっちゃう、そういう爆発的な成長をする時代は終わったとしても、別に頭打ちになってはいない。

山田:市場はでっかいわけですしね。

田中:そう、市場はでかいし、利益率もすごい。ちゃんと当たれば。本当に利益は大きいわけです。かつ、日本だけで言ってもゲームをする人は、まだ増えると思うし、全世界を見たときには、インドとか南米とか、そういったところのゲームユーザーがこれから増えてくる。だから市場自体は、まだまだ広がっていきます。

でも爆発的に成長する時代ではなくなった。そこでわれわれの会社としては、次にそういう爆発的なものをつくっていくためにも、ゲーム以外のことに着手しなきゃいけないなと思っています。今はそれを探しているところです。

専用ゲーム機はやらないの?

山田:今の時代のネットサービスは、グーグルもAndroidをやることによって下のプラットフォームまで入っていきました。フェイスブックもなるべく下のレイヤーへ行こうとしている。その意味では、横に広げるのではなくて縦に向かっていく、たとえばゲーム端末を自前で作ろうとか、そういうことは考えませんか。

田中:それは、あんまり考えてていないですね。当然、(フェイスブックが買収した、ゴーグル型のVRディスプレイメーカーの)Oculusのようなものが出てくれば、ああいうもの向けにゲームをつくろうかなとか、考えたりはします。当然、もっともっとハードウェアも安価になってくるので、いわゆるモノのインターネットみたいなものを、ちょっとくらいかじることはあると思うんですが。

ただ、やっぱり大原則として、グーグルとかアップルとかフェイスブックと同じようなことをやっても、しょうがないと思うんです。勝てるわけもないと思うので。

山田:同じことはしないと。

田中:YouTubeに対してのニコニコ動画ぐらい、ちゃんと答えを持って、違うものがつくれるのであればいいんですけど、ほぼ似たようなものをつくったとしたら勝てるわけもないです。アメリカでビジネスをしているからこそ思うんですが、根本からフィールドが違うので、同じことをやってもダメです。

山田:しかしハードウェアの原価が劇的に下がっていますよね。スマホの調達コストがめちゃめちゃ下がっている。使うチップにもよりますが、ニンテンドー3DSに相当するものは、つくれちゃいますよね。

田中:そうかもしれませんが、僕が次の10年間で面白いと思っているトレンドは、ちょっと違うんですよ。

山田:新しいトレンドですか。それ、ぜひ教えてください。

第3回に続く

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