「グリーは、ずっとダメな会社と言われてきた」 創業10年、過去・現在・未来を語る(2)

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山田:この第2章までを振り返ると、細かいことはあったかもしれないがおおむね順調に発展してきたと思いますか。

田中:全然そうではないですね。振り返ってみると、この10年、ほとんどダメな会社と言われ続けました。当初、モバイルにシフトするまでは、「いったいミクシィと何が違うんだよ」と言われた。伸びてはいるんですけど、業界の中では終わった会社呼ばわりされていました。そのあとモバイルのSNSをつくろうと思ったら、今度は(DeNAの)「モバゲーと同じじゃないか」というふうに言われましたし。そういう意味では、ずっと、ほかの会社よりダメとか、このサービスに意味があるのかとか、そういうことばっかり言われ続けてきました。ほとんどの時代がそうだったと思っています。

山田:賞賛された時代というのはありましたか?

田中:それは本当にもう、一瞬でしたね。2009年とか2010年とか。本当、一瞬ですよね。

山田:DeNAと裁判をやって、強気に出ていた時代。

田中:裁判うんぬんではなくて、ものすごく業績が伸びていましたからね。ユーザーにたくさん使ってもらい、モバイルゲームとしては一番規模も大きいし、収益も増えた時代があった。まあ1年くらいはそういう時代があったと思います。それ以外の時期は、どこどこよりダメな会社とか、どこどこと同じような会社とか、そういう具合にずっと言われ続けてきました。

課題が一気に現れた

山田:ピークのあとにはキツイ時代というか、やや挑戦の時代に入っていくということなんですかね。これも、あとになって振り返れば、次の10年に向けての雌伏期だった、となるかもしれないですが。

田中:今から2~3年ぐらい前に、いろいろな課題が同時に訪れたなと思っています。1つ目は、まずスマートフォンに切り換わるということです。これは予期できたことではあるんですけど、フィーチャーフォンのビジネスをスマートフォンに換えるっていうのが実際問題、本当に大変だった。これが1つ目のテーマです。

もう1つのテーマは、海外展開です。僕らは海外ビジネスもしたことがないところから挑戦していきました。アメリカのOpenFeint(2011年4月買収)、Funzio(2012年5月)を買収したのが3年ぐらい前です。

3つ目は会社の規模自体が、急激に大きくなった。300人ぐらいの会社から一気に2000人ぐらいまで増えたわけです。2~3年で5倍の規模になった。その企業規模に合わせた会社の重要な仕組みをつくるという課題もありました。そういう波がどんどん来まして。それに対応していくのが大変だったな、というのが3年ぐらい前に起きたことです。

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