アベノミクスのせいで庶民は豊かになれない 原油価格は、将来50ドル割れの可能性も

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今のところは、アメリカ国内の原油の需要が減少しているのを背景に、アメリカのWTI原油価格のみが世界の他地域に比べて安い状況にありますが、やがては欧州の北海ブレンド原油価格やアジアの中東産ドバイ原油価格にも大きな下落圧力が働いていくでしょうし、ロシアが輸出している原油価格も下落傾向が鮮明になっていくことは避けられないでしょう。

その一方で、アメリカの天然ガス指標価格であるヘンリーハブの低価格に引っ張られるように、英国の指標価格であるNBP価格やロシアの天然ガスの輸出価格、日本の液化天然ガスの輸入価格などの価格が大きく下落していくことも確実に起こっていくでしょう。

(中略)原油にしても天然ガスにしてもアメリカの指標価格を後追いするように全体の価格が下がっていくのが、経済的合理性から言っても自然な流れではないのでしょうか。原油価格などは2017年までには50ドルを割り込んでもおかしくはないのです。引用終わり)

以上のような原油価格の下落予測は、それから1年9カ月ほど経過して、おおよそ想定していたように下落が進んできているように思われます。ただし、OPECによる減産見送りによって、直近の下落のペースが速まっているのは、イレギュラーな価格下落に該当します。ですから、原油価格はどこかで多少戻してから、再びじりじりと下落が始まるだろうと予想しています。

よくメディアなどでは、「アメリカのシェールオイルの採算コストは70ドル前後だから、70ドルより下がり続けることはないだろう」という意見が聞かれます。先日、人気テレビ番組でもコメンテーターが同じ趣旨の話をしていましたが、こういった意見は間違った認識のうえに成り立っています。

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