「ゆでガエル」状態になりつつある日本  人口動態はウソをつかない

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ニュージーランドで育児団体を訪問する英王子夫妻。英国は先進国としては出生率が高いほうだ。一方、日本はドイツ型に(Press Association/アフロ)

今回は人口動態について考えてみたいと思います。経済予測の中でも、将来人口の動向は比較的高い精度で予測ができます。株価や為替相場などは、さまざまな要素が複雑に絡み合うため、正確に予測することは困難です。ところが、将来人口については、予測するうえで必要になる要素が主に出生率と平均寿命の2つしかありません。この要素の少なさが、高い精度で予測できる要因です。また、人口の増減は、景気動向にそれほど左右されない点からも予測しやすくなります。

出生率で二極化する先進国

そのため、2020年~2025年までに、出生率に劇的な変化がなければ、かなりの精度で50年後の少子高齢化の姿を描くことができるのです。 少子化が進む日本ですが、先進国を出生率で見ると、多産の国と少産の国に分かれます。出生率(合計特殊出生率)とは、1人の女性が生涯に産む子供の数の平均です。多産の国を代表するのがアメリカ、フランス、イギリスで、出生率はアメリカが2.1、イギリスが2.0、フランスが1.9になります。少産の国の代表は日本、ドイツ、イタリアで、出生率はいずれも1.4です。

多産の国と少産の国を比べてどこが違うかといえば、1つは女性の初産の年齢です。パリ大学の人口動態を調査している専門家によると、フランスの女性は30歳までに第一子をもうけるのに対して、ドイツの女性の初産は30歳を過ぎてからが普通だといいます。日本の女性の平均初産の年齢も2011年に初めて30歳を超えました。

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