変更必至の介護制度、今後の主役は市町村 若者に不利な現状、法改正は不公平改善の好機

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東京・町田の社会福祉法人「合掌苑」は新卒採用に半年以上の時間をかける。精鋭人材をそろえることで、人手不足などのさまざまな現場の問題を克服している(「週刊東洋経済」5月17日号から、撮影:吉野純治)

行方不明となる認知症高齢者の増大、介護離職、待機老人問題、介護職員の人材不足…介護にまつわる話題が注目を集めている。『週刊東洋経済』5月17日号の特集「誤解だらけの介護職」でも、大々的に取り上げられている。

来年度改正予定、介護保険制度のポイントとは?

今国会では、介護保険法改正を含んだ医療・介護総合推進法案が目下審議中である。政府は、介護保険制度の改正を来年度に行うことを目指している。介護にまつわる主なポイントは、2025年を目指して地域包括ケアシステムの構築を推進することと、利用者負担の公平化である。

地域包括ケアシステムとは、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で生活できるよう、地域で医療・介護・介護予防・住まい・生活支援が一体的に提供される体制のことである。

これらのポイントのうち、利用者負担の公平化については、やむを得ないとする声が強いようである。65歳以上の高齢者(介護保険では第1号被保険者という)の要介護者や要支援者が、介護サービスを利用する際には、これまで費用の1割だけ自己負担すればよかったのを、一定以上所得を持つ人には自己負担割合を2割にしようとするものだ。40~64歳の人(第2号被保険者)は、介護保険の保険料を負担していながら、介護サービスは原則受けられない。また、消費税をはじめ介護保険の給付の財源となる税は、若い人も払っている。

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