悩みを打ち明ける場がない、介護労働者 弁護士らが無料で電話相談

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「介護労働」に関する悩みを打ち明ける場所が少ない(写真は、昨年実施された「介護保険ホットライン」)

労働問題に詳しい弁護士や介護事業の関係者らが、10月29日、30日の2日間にかけて、「介護労働ホットライン」を開設する。介護現場で働く人たちが直面する問題について、無料で電話相談に応じる(事務局は「市民福祉情報オフィス・ハスカップ」)。

厚生労働省の調べによれば、介護労働者は2009年時点で約134万人に達している。しかし、介護の現場は人材の入れ替わりが激しく、前08年の1年間で28万人が新たに職に就いた一方、離職者も約22万に上っている。

介護労働者たちの悩み

財団法人介護労働安定センターの調査では、「介護労働者の悩み」として最も多いのが「低賃金」で、「人手不足」「有給休暇が取りにくい」「社会的評価が低い」がそれに続いている。

こうした状況が長年改善されてこなかった結果、高齢者が十分なサービスを受けられなかったり、安全面で問題のある施設も後を絶たない。その一方で、困難に直面した介護従事者の声は、必ずしも世の中に届いているとは言いがたいのが実情だ。

そうした中で弁護士や介護従事者、市民グループメンバーが、労働相談および労働実態の聞き取り調査を実施する。法的な支援が必要なケースについては、ホットラインに従事した弁護士らがあらためて対応したり、紛争解決に精通した機関などを紹介する。聞き取った内容は今後の政策提言にも生かしていく。

実施日時は10月29(火)~30日(水)の各13時~19時まで。電話番号は、03-3239-0990。 

岡田 広行 東洋経済 解説部コラムニスト

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おかだ ひろゆき / Hiroyuki Okada

1966年10月生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1990年、東洋経済新報社入社。産業部、『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、企業情報部などを経て、現在、解説部コラムニスト。電力・ガス業界を担当し、エネルギー・環境問題について執筆するほか、2011年3月の東日本大震災発生以来、被災地の取材も続けている。著書に『被災弱者』(岩波新書)

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