アベノミクスのせいで庶民は豊かになれない 原油価格は、将来50ドル割れの可能性も

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拙書でも指摘しているように、シェール関連の技術革新は日々進歩していて、採算コストは今後も大きく下がっていくからです。

原油価格は50ドルを割り込んでもおかしくない

おそらくは、ここ数年以内に採算コストは40ドル前後まで下がってくるでしょう。だから、「数年以内に原油価格が50ドルを割り込んでもおかしくない」という予想が立てられるわけです。

その結果として、先進国経済は低インフレあるいはデフレから抜け出せなくなるわけですが、それならば「どうして低インフレ、デフレが悪い」と言えるのでしょうか。エネルギー価格が下がれば、先進国の庶民と言われる人々の生活コストが下がり、暮らし向きが楽になるはずなのです。

「経済政策とは誰のために存在するのでしょうか?」

国民の層で言えば、富裕層のためか、中間層のためか、あるいは貧困層のためか。

企業規模で言えば、大企業のためか、中小企業のためか、中小零細企業のためか。

住んでいる場所では、首都圏在住の人々のためか、地方在住の人々のためか。

アベノミクスを推進する人々は決してそうは言いませんが、アベノミクスは富裕層、大企業のためにやっています。歴史を学ばない経済識者たちが一般国民を生活苦に追い込む政策を支持してきたために、国民は原油価格下落の恩恵をほとんど受けることができていないのです。

中原 圭介 経営コンサルタント、経済アナリスト

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なかはら けいすけ / Keisuke Nakahara

経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。企業・金融機関への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に努めている。経済や経営だけでなく、歴史や哲学、自然科学など、幅広い視点から経済や消費の動向を分析しており、その予測の正確さには定評がある。「もっとも予測が当たる経済アナリスト」として評価が高く、ファンも多い。
主な著書に『AI×人口減少』『これから日本で起こること』(ともに東洋経済新報社)、『日本の国難』『お金の神様』(ともに講談社)、『ビジネスで使える経済予測入門』『シェール革命後の世界勢力図』(ともにダイヤモンド社)などがある。東洋経済オンラインで『中原圭介の未来予想図』、マネー現代で『経済ニュースの正しい読み方』、ヤフーで『経済の視点から日本の将来を考える』を好評連載中。公式サイトはこちら

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