「会社に属さず働く人」、大抵の人が知らない現実 雇用スタイル変化に日本企業はどう対応できるか

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プラットフォームとしてはランサーズやクラウドワークス、ウーバー・イーツなどが有名だ。当初は、海外からの進出企業が多かったのだが、最近は日本企業も数多く市場参入しており、急速に拡大していると言っていい。いずれ日本も、アメリカのように3人に1人がフリーランスやギグワーカーになる時代が来るのかもしれない。

もっとも、こうしたギグワーカーを純粋なフリーランスと呼ぶのかについては、少なくとも日本ではまだ十分な議論が出てきていない。彼らの権利をきちんと守る法律も整備されていない。すでに海外では、積極的にギグワーカーを守る姿勢が強まっており、法律も整備されつつある。

新型コロナウイルスによるパンデミックでフリーランスが急増しているのは日本だけではない。アメリカでも、コロナ禍が始まってから法人格を持たない事業者として働く人の数は、50万人増加して944万人に達している(アメリカ労働省調べ)。金融危機のあった2008年以降最多であり、自営業者が約6%も増えたそうだ。

岐路に立つ日本型雇用システム

日本は、独特の雇用形態を戦後ずっと維持してきた歴史がある。最近はその傾向がやや変化して欧米に近づきつつあるともいわれているが、それでも日本の雇用形態の大半は現在でも「新卒一括採用」「年功序列」「終身雇用」という独自の雇用形態を維持してきた。

実際に現在でも、一般企業の多くはギグワーカーどころかフリーランスそのものも活用できていない。2017年に経済産業省が行った「働き方改革に関する企業の実態調査(平成28年度)」によると、日本企業でフリーランス人材の活用状況を調査したデータによると、フリーランスを活用している企業は「18.9%」にとどまっている。

外部人材に頼らない雇用システムに依存する企業が8割に達している背景には、新卒で一括採用した従業員に定年退職まで働いてもらう、という日本独自の雇用システムがある。しかし、近年その基礎となる「新卒人口」が、人口減少時代の到来によって急激に減少しているという現実がある(22歳人口の推移、国立社会保障・人口問題研究所推計)。

・ 2024年…… 118万人
・ 2025年…… 115万人
・ 2026年…… 113万人

もっと長期で見ると、2030年には110.9万人、2040年には97.8万人と予想される。新卒一括採用を行う企業にとっては、これからの10年、20年は大きな方向転換を余儀なくされそうだ。

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