《プロに聞く!人事労務Q&A》会社側の説明不足で希望退職したと主張する元社員の再雇用義務はありますか?

《プロに聞く!人事労務Q&A》会社側の説明不足で希望退職したと主張する元社員の再雇用義務はありますか?

 

回答者:鈴木社会保険労務士事務所 鈴木ひろみ

質問

 不況のため、3カ所あった工場のうち1つを今年7月に閉鎖しました。その工場に勤務していた社員には、関係会社への転籍か、割増退職金を受け取っての退職かのどちらかを選択させました。とりあえず、円満に工場閉鎖となったのですが、最近になって割増退職金を受け取って退職した元社員が「関係会社への転籍という選択肢があるとは知らなかった。工場閉鎖に当たって、会社の説明は不十分だった。割増退職金は返還するので再び雇ってほしい」と言ってきました。再度、雇わなくてはなりませんか?(製造業・総務)

回答

まずは、この場合、工場閉鎖に伴う整理解雇に該当します。整理解雇が有効となるためには、整理解雇の4要件を総合的に判断する必要があります。

整理解雇の4要件には、
(1)人員削減の必要性、
(2)人員削減の手段として整理解雇を選択する必要性(解雇回避努力義務)、
(3)被解雇者選定の合理性、
(4)労働者側に対する説明・協議
があります。

(1)及び(3)についてですが、不況のため工場を閉鎖し、勤務する社員全員を対象に工場を退職(解雇)してもらうことについては問題ないといえるでしょう。

(2)については、解雇回避努力義務として、関係会社への転籍か、割増退職金を受け取るかの選択肢を設けています。ただ、この(2)に関連して(4)の労働者側への説明・協議が十分であったか、丁寧な対応をしたかが今回の問題点となります。

この元労働者が主張するように、関係会社への転籍を選択できる旨の説明をせず、この者には、割増退職金の説明のみに終始したのであれば、(4)の被解雇者選定の合理性において、何らかの理由が必要となります。

ある人には2つの選択肢の説明をし、ある人には1つの選択肢の説明のみであったというのであれば、そこには、被解雇者を選定していることと同じ意味合いが生じますから、何らかの合理的・客観的な理由が求められます。

 

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