《プロに聞く!人事労務Q&A》会社側の説明不足で希望退職したと主張する元社員の再雇用義務はありますか?

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たとえば転籍する会社は、何らかの技術を有している人のみしか働けないのに、この元労働者はその技術を有していなかったのでなど、関係会社への転籍の選択もある旨の説明をしなかったなどといった、合理的・客観的な理由が必要でしょう。

なお、合理的な理由等はなく、会社がうっかり説明をし忘れていたということであれば、転籍会社への採用を検討する必要も出てきます。しかし、すでに転籍会社で採用する枠がないのであれば、その旨、元労働者に話をし、割増退職金の他に何らかの解決金等を払うことも考えなければなりません。

また、説明はしたものの、元労働者がちゃんと聞いていなかった、後で気が変わったといった場合もあるでしょう。

この場合は当然、関係会社で採用する義務はありませんが、このようなことのないよう、会社としては、解雇をする際に書面に残しておくことが必要です。

たとえば、「工場閉鎖に伴う確認書」(タイトルは何でもよい)において、選択肢A及びB(それぞれ内容を記載)の説明をいつどこでで行い、当該労働者は、それぞれの内容を十分把握し、確認した結果A(内容を記載)を選択した等として書面に残し、それを2通作成し、それぞれ会社及び本人が署名押印し保管しておきます。

いずれにしてもこのような問題は、説明した、聞いていないという水掛け論になりがちですから、必ず書面に残しておきましょう。

鈴木ひろみ(すずき・ひろみ)
東京都社会保険労務士会所属。法政大学法学部法律学科卒業。東映CM入社。TV-CMの製作進行、プロダクションマネージャーとしてTV-CMの企画・製作を担当。その後、ファッション雑誌編集者を経て、1995年に鈴木社会保険労務士事務所を開設。著書に「どうなるの?わたしたちの労働環境」、「得する年金損する年金 図解新年金制度」など。


(東洋経済HRオンライン編集部)

人事・労務が企業を変える 東洋経済HRオンライン

 

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