というのも、本当のところはわからないけれど、ある種の「パターンマッチング」はできて、それは結構的を射ている。「このパターンは、高校のクラスにいたスズキくんだよね」みたいなものがちょっと見えて、その印象はほぼ間違えない。実際にスタッフになったとして、面接の時に「スズキくんだ」と思った人は、やっぱりスズキくんっぽいんだよ。
だから、血液型とか星占いへの反論で「人間をそんな数パターンに分けられるのかよ」と言う人がよくいるけれど、僕は数パターンに分けられると思う。
ということで人間性がわかったとして、加藤くんの話にあった「準備」ということで言うと、その面接に一生懸命準備している人のほうがいいのかは少し懐疑的なんだ。
加藤:言いたいことはわかる。加藤の言う「準備」も、「当てにくる準備」だとあまりよろしくないと思うし。
角田:そうなんだよ。なんかズルいじゃない。ズルさで乗り切ろうとしているその感じが、「ああ、これはクラスにいたスズキくんね」みたいに感じるわけだ。
そこからその「スズキくん」の未来を想像すると、「あのスズキくんは、調子いいだけで結局口だけだったじゃん」というパターンの人に見えてしまうんだよね。
それよりも、話し下手でぼそぼそ喋ってるんだけど、何か楽しんでいることを楽しそうに話す人とか、大人の前で緊張気味に喋る人の、緊張してるピュアさがいいとか、そういう人に僕は魅力を感じるんだよな。
加藤:それはわかるねぇ。だから「すごいこと」「最高のこと」を言おうとするよりは、質問に適しているという意味での「最適なこと」を言ったほうが、面接する側もわかるよね。
浅くてもいいから、「濃い」話が聞きたい
角田:面接って、時間の中で人となりがどれだけ伝わるか。良くも悪くも「自分はこういう人間なんだ」ということが伝わらないとダメだと思うし、面接する側はシンプルに「目の前のこいつと一緒に働いてもいいかな」という目で見ているわけだよ。
加藤:それはよく言われるよねぇ。
角田:僕もTBSにいた頃は、まさにスタッフの面接みたいなことをやったけれど、スタッフとして働きたいか、というよりもテレビ局だと「うちの現場でもつかな?」みたいなことが重要だった。「この子のヤワさやピュアさで大丈夫か?」みたいな、そういうところばっかり見てたね。逆に言えばスキルなんかは、「できます」と言っても口先だけかもしれないし、面接だけではわからないよね。
加藤:それにスキルは後からある程度身につけられるもんだし。
角田:だすると、やっぱりスキルよりもむしろ「心根」を知りたいよな、ということだと思う。