不妊治療の人を襲う「よかれと思って暴言」の苦痛 職場・夫・親・友人「ケース別」NG言動を紹介

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不妊治療中の人に対する上手な接し方について解説します(写真:アン・デオール/PIXTA)
保険適用が始まり、治療を始める人が増えることも予想される不妊治療。それに伴い、不妊治療中の同僚がいる職場や、治療をしている家族や身内、友人がいる人など当事者を支えるべき立場の人も増えるだろう。
ただ不妊治療はデリケートな問題であるゆえ、治療をしている人にはどのように接すればよいのか、迷う場面があるかもしれない。よかれと思ってした発言や行動が治療をしている人を傷つけてしまうこともある。
4日連続特集「不妊治療は“ひとごと”ですか?」2日目第3回は、治療中の人にとってつらい言動、うれしいと感じる言動について紹介する。
【2日目のそのほかの記事】(1日目の記事はこちらからご覧ください)。
第1回:後悔しない「不妊治療の病院選び」ポイント5つ
第2回:40歳を前に「卵子凍結」した女性の偽らざる本音
第4回:「1年以内に閉経も」32歳女性が選んだ妊娠への道

職場で言われてつらかったこと

職場において、上司や同僚などの無理解に苦しんだという不妊治療中の人の声は後を絶たない。

・高齢でもあり、「不妊治療を受けること自体がおかしい」と言われ、周囲の理解が得られませんでした(40代正社員※)

・職場に理解してもらおうと、上司に率直に事情を説明しましたが、「そんな治療をするなら仕事はするな」と言われました(40代契約社員)

※NPO法人Fine~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会『不妊白書2018』より、以下同様

Fineの理事長・松本亜樹子氏は言う。

「こういうプレ・マタニティハラスメント発言を聞くかもしれないと思うから、そもそもたくさんの人が職場では治療をしていることを言えないでいます。上司から面談のたびに『今は治療しないでくれ』と言われ、退職につながったりするケースもあるのですから、うかつには告げられません」

この連載の記事一覧はこちら

Fineが実施したアンケートでは、35%の人が、職場で不妊治療をしていることを周囲に話していなかった。厚生労働省が2017年度に行った調査ではこの数字はさらに高く、57.7%と過半数の人が職場には「一切伝えていない・伝えない予定」と回答した。

とはいえ、不妊治療というものは、職場にだんだん隠しておけなくなるものでもある。松本さんによると、多くの人が周りに話をし始める時期は、不妊治療の中でも通院回数が多い体外受精、顕微授精に入っていくときだという。

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