不妊治療の人を襲う「よかれと思って暴言」の苦痛 職場・夫・親・友人「ケース別」NG言動を紹介

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不妊治療をしている女性たちは夫の言動についてはどう感じているのだろうか。

よく聞く言葉に「僕も協力するよ」という言葉があるが、西部さんによると、”協力”は女性がカチンとくる言葉の代表だという。

「協力じゃないでしょう、あなたも当事者でしょう、と正直思いますよね。WHO(世界保健機関)も、不妊症のうち、男性にも原因があるケースは約半分と言っていますし、何よりも本来、家族計画は男女双方の問題です」

「君が思うようにしていいよ」という言葉も、よく聞かれるが、優しい言葉に響くケースもあれば、主体性が感じられず女性が不満に思うパターンもある。

同様に、「君がつらいならやめていい」「君の好きにしていい」といった発言も要注意だ。妊活コンシェルジュサービスを展開するファミワンの公認心理師によると、「言われたほうは責任を負わされたと感じる。コミュニケーションで重要なのは、「僕は」「私は」を主語にして自分の気持ちや考えを伝えること。『僕は続けて欲しいけれど、君がつらい思いをしているのを見ているのはつらいから……』といった言い方」という。

一方、夫の言動でうれしかったことには、どんなことがあるのか。

「あくまで自分の一例ですが、検査値の細かな読み解きなどをネットで調べておいてくれて、客観的に判断してくれるのはありがたかった」(西部さん)。

・夫は治療開始時から「子供のいない人生」について悲観的ではなく、「それならそれで」と肯定的だった。原因が私(妻)側にあることがはっきりしていたため、助かった(30代会社員)

身内・友人がしがちなNG言動とは?

続いて、身内や友人の言動でつらかったことには、どんなものがあるだろうか。

「こうすると、妊娠するらしいわよ」といった進言は、本人にとって重荷になることが多いと松本さんは言う。

「昨日、テレビで不妊特集やっていたのを見たんだけど、こういうものを食べると妊娠するらしいわよ」「あの病院がいいらしいわよ。私の友だちは、43歳なのにあそこで妊娠したの」といった発言だ。

妊娠したい人に効くという、健康茶などをプレゼントしてくれる人もいる。中には、「この間話したあの病院、もう行った?」といったアフター・フォローがつくこともある。

「ありがたいことなのですが、よかれと思ってしたことが干渉と受け止められていることもあります。不妊治療をしている人たちは、どうすれば早く妊娠できるかについては相当にリサーチしていることが多く、その中で自分が悩んで決めたクリニックに通い、選び取った方法に賭けています」(松本さん)

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