《プロに聞く!人事労務Q&A》うつ病で休職中の社員がリハビリ勤務をする場合、どのような点に気をつければいいですか?

《プロに聞く!人事労務Q&A》うつ病で休職中の社員がリハビリ勤務をする場合、どのような点に気をつければいいですか?

 

回答者:雇用システム研究所 白石多賀子

質問

 40代の男性社員が、半年間うつ病で休職しております。その社員は医師から、復帰のためのリハビリとして、週に2~3回の短時間勤務をしてはどうかと勧められています。本人もその気になっており、会社としてもリハビリ勤務をさせたいと思います。
休職期間中のリハビリ勤務に対して給与を支払う義務はあるのでしょうか?
また、リハビリ勤務中の事故に労災は適用されますか?リハビリ勤務が原因でうつ病が悪化した場合、責任の所在はどこになりますか?(サービス業:人事担当)

回答

リハビリ勤務は、より早い段階で職場復帰の試みができ、早期の職場復帰に結び付けることが可能です。しかし、一方でリハビリ勤務制度の設定の仕方によっては、トラブル発生にもなりかねません。リハビリ勤務中の処遇については、就業規則等で明確に定め、社員に周知をしてください。

■職場復帰の判断

傷病休職者の職場復帰は、傷病が「治癒したか」が判断基準となります。

復帰の判断基準は、原則として「従前の職務を通常程度行える健康状態に復したかどうか」です(大建工業事件 大阪地裁決定 2003年4月16日)。

これに対して、職種や業務内容を限定せずに労働契約を締結した場合においては、「休職前の業務について労務の提供が十全にできないとしても、その能力、経験、地位、企業の規模、業種、その企業における労働者の配置や異動の実情及び難易等を考慮して、配置替え等により現実的に配置可能な業務を指示すべきである」とされ、配置転換等も踏まえた判断となります(JR東海事件 大阪地裁判決 1999年10月4日)。

■リハビリ勤務の取り扱い方

○休職期間中としての取り扱い
休職期間中に短時間勤務等で、本人の希望による作業、または会社の指示による業務に従事して慣らしていく。

したがって、削減した労働時間相当部分の賃金をカットすることは、「ノーワーク・ノーペイの原則」ともとらえがちですが、その削減された労働時間については、会社の都合による休業となりますので、削減部分について労働契約上、通常勤務した場合に支払う賃金の6割相当額を休業手当として支払う必要が生じます。

○休職期間が終了し、復職後の取り扱い
職場復帰する際に、当初からフルタイム勤務では負荷が大きく再発する可能性もあり、短時間勤務や軽易な業務から慣らし、段階的に従前の業務内容へ戻していく。

 

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