「推しのいる人生」が幸せである予防医学的な根拠 推しは人生にウェルビーイングをくれる存在だ

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

また、人間の脳は踊っている人の姿を見ているだけでもセロトニンやドーパミン、エンドルフィンなどの幸せホルモンが分泌されることが科学的に確認されています。

加えて、動きが揃ったダンスパフォーマンスは、見る側の脳に快感をもたらします。また、歌う側としても歌っている最中は脳内の二酸化炭素濃度が高まるため、幸せホルモンがドバドバと分泌されます。そう考えるとアイドルのライブに参加してそのパフォーマンスを見ることは、ウェルビーイングの究極形のような時間ともいえるでしょう。

このように、「推す」という行為はあらゆる面で人生に多大なウェルビーイングをもたらしてくれるのです。

能力が足りなくても「替えの利かない」存在

いつからか日本では、ソロアイドルよりもグループアイドルのほうが圧倒的に支持されるようになりました。その要因はすでにさまざまなところで分析されていますが、ウェルビーイングの見地からも、グループアイドル人気を語ることはできます。

ソロアイドルは一人である以上、アイドルとして存在し続けるために「する」こと、つまり歌唱力やダンスなどのアーティストとしてのスキルを磨いて武器として身につけていかなければなりません。つまり、ひたすら上を目指すしかない。

一方、グループアイドルは発進段階で、とにかく「一緒にいる」ことがほぼ強制的に求められます。「いる」から始まる関係性は、必然的にドラマが起こりやすい。そこには何が起きるかわからないサプライズの予感が満ちています。個々のパフォーマンスよりも、集団の関係性に期待と関心が集まるのです。

グループアイドルと同じく、バンドもまたメンバーそれぞれの関係性というストーリーへの期待と憧れがファンの心を強く惹きつけます。

第一級の腕前と才能を持つスタジオミュージシャンが結集したからといって、人気バンドにはなれません。完成度の高いドゥーイングな人たちを集めても、その腕前に感心はしても、感動までは生まれないのです。

次ページ「関係性」はとても重要だ
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事