慶大生が「性的同意」ハンドブックを作った理由 キャンパス内で起こっている性暴力を問題視
「性的同意」という言葉を知っているだろうか? それはボディタッチから性的な言葉がけ、セックスまで、あらゆる性的言動について、事前に確認されるべき意思を指す。本来、性的言動への参加にはお互いの積極的な意思が必要。モヤモヤした不快感が残るのは、もしかすると不本意だったのに雰囲気に流され、嫌と言えなかったからかもしれない。嫌という意思を示せない雰囲気に持っていくことは、相手への精神的な暴力である。
そんな性的同意に関するハンドブックを作った学生たちがいる。慶應大学の学生団体「セイフ・キャンパス」のメンバーたちだ。同団体は一般社団法人ボイス・アップ・ジャパン慶應支部と共同(メンバーはこちらにも所属)で、「同意がない性的言動は性暴力です」と明記した『性的同意ハンドブック慶應』を3月1日に発行した。ネット上で誰でもダウンロードできる。
約2割が不快な性的な話などを経験
ハンドブックには、解説や学内の相談場所のほか、セイフ・キャンパスが2020年9月10日から1カ月間、学生、職員、卒業生の慶應大学関係者に実施した性暴力に関するアンケート結果が掲載されている。
それによると、「不快な性的なジョークや性に関する話をされた経験」がある人は19.7%、「第三者に対し『セクハラや性暴力を受けているのではないか』と思った経験」がある人も18.9%と、およそ5人に1人が体験している。先輩後輩と知人の学生同士の間で発生しやすく、飲み会の場で発生することが多い。
学生たちがハンドブックを発行した背景には、キャンパス内で性暴力が頻発しているにもかかわらず、性的同意に関する認識が低い実態があるという。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら