あなたにも出来る!社労士合格体験記(第18回)--新しい雇用先には社会保険がなかった
不安転じて、意欲高まる
さて、首尾よく就職はできたものの、雇用先の制作プロダクションには社会保険がありませんでした。年金は自分で加入する国民年金のみ、医療は国民健康保険。すべて自己負担という、失業時代と同じ状態です。社労士を目指して勉強しているのに、厚生年金保険法や健康保険法などサラリーマンのための法律のメリットを享受できず、歯がゆい思いをしました。
将来のことを考えると、2階部分の厚生年金がない期間が続くわけですから、当然、年金受給額はかなり少なくなることを覚悟しなければなりません。そのためにも、定年のない社労士、行政書士など「士」がつく、「サムライ業」の国家資格を取得することには、メリットがあると意欲は高まりました。
8月第4週目の社労士試験まで、あと5カ月。皮肉な結果ですが、休みに仲間と会えないため、勉強ははかどりました。それでも時間は限られています。とりあえず、10月後半が試験日の行政書士の勉強は後回しにして、社労士試験に絞って勉強を進めました。
難解な年金の計算のしくみ
ところで、2010年の国民年金法の選択式問題では、悩まされた受験生が多かったのではないでしょうか?
年度ごとの年金の額を計算するために必要な、法律上の本来水準の改定率と、現在実際に計算の基礎となっている物価スライド特例措置という、難解な部分から出題されたからです。
本来水準の額は物価・実質賃金・可処分所得(手取り)の変動を加味した「名目手取り賃金変動率」で改定するのが原則です。ただ、例外的に「物価変動率」で改定される年もあります。今年度の改定では、「名目手取り賃金変動率」と「物価変動率」がどちらもマイナスとなり、「物価変動率」のマイナス幅が低かったため、例外的なルールが適用され「物価下落率」で改定されました。