あなたにも出来る!社労士合格体験記(第18回)--新しい雇用先には社会保険がなかった
そして、実際の年金額は据え置かれました。現在、国民年金の老齢基礎年金の満額は、法律上78万0900円プラス改定率ですが、実際は物価スライド特例措置で79万2100円となっています。
ちなみにアバウトに年金額を計算する場合は、便利な式があります。1万9800円に加入年数を乗じればいいのです。たとえば30年加入している場合は、年額59万4000円ということになります。もちろんこれは国民年金だけで、保険料免除期間がない場合の額です。
来年は年金額が下がる!?
物価スライド特例措置の歴史は、2000年度から3年間(問題文では平成12~14年度)に、物価が累積で「1.7%」下落したにもかかわらず、特例的に年金を減額しなかったことにさかのぼります。
現在は「2005年(平成17年)」以降の物価の動きを見ていますが、この部分は昨年までの累計で「0.3%」上昇。しかし、かつての「1.7%」下落の据え置き分があるので、増額改定は行われていません。逆に、これがマイナスになるまで減額改定もされずに、貯金にもなっています。
ただ、2010年もデフレが続いたため、この貯金を使い果たすことが確実となりました。引き下げ幅は今後の調整含みですが、2011年度は、5年ぶりに年金が減額される見込みです。
次回は、一足先に社労士試験の合格祝い(?)です。
【毎月第2・第4火曜日に掲載予定】
翠 洋(みす・ひろし)
1958年愛知県生まれ。国際基督教大学教養学部卒業後、ラジオたんぱ(現・ラジオNIKKEI)入社。番組制作、報道、出版事業などを経て45歳で退職。延べ1年半の失業期間の後、NHK「地球ラジオ」の専属ディレクターとして3年勤務。その間、ファイナンシャル・プランナー(AFP)に登録。2007年4度目の挑戦で「行政書士」合格後、行政書士法人で外国人の日本在留ビザ申請代行業務に従事。「社会保険労務士」には、2008年4度目の挑戦で合格。現在は、職業訓練講師として「人事労務基礎科」「基礎演習科」などを教えている。趣味はアルトサックス演奏、温泉巡り。「語学オタク」。
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