ご質問の「やりたいことなんてしょせんは後づけで~」というくだりの背景には、ひょっとするとF.K.さんの周りで働いている大人が幸せそうに見えない、ということでしょうか。確かにそういった人もいるでしょうが、楽しんでいる人が多いのも事実です。
その違いは、業種でも職種でも給与水準でも何でもなく、「自分のキャリアを受け身ではなく積極的に切り開いてきたか否か」の違いだと断言できます。
自分自身の価値観と判断基準を持つ
現在は職業や業種が非常に多様化していますので、やりたいことを探すには、きちんとした自分自身の価値観と判断基準を持つことが大切。そのために実際に仕事に近づき、積極的に経験することが重要です。
反対に、「誰それがこう言ったから」とか「ちょっと聞きかじって面白そうだから」という感じでは、いつまで経ってもフラフラした状態のままになってしまいます。
たとえば、現時点での案として書かれている「弁護士」にしても、今は特定分野における専門領域(たとえば企業ファイナンス、企業再生、M&Aなど)に特化する、少なくとも特定分野における柱を立てる必要が出てきていますし、一言で「弁護士」といっても、何をしたいかでやることは変わってきます。もっと言えば、一般的に「弁護士」の仕事のイメージが強い「訴訟」にかかわったことのない弁護士だっていたりします。
現在、日本では大学に代表されるアカデミックな世界と、実際のビジネスの現場たる産業界の世界は、情報を含めた交流がこれまた見事に遮断されていますので、大学の一般的なプログラムなどを通じてやりたい仕事を見つけるのは、はっきり言って不可能でしょう。
実際に仕事を経験してみる
かつては、仕事の断片を少しでも垣間見られる手段といえば、アルバイト程度しかありませんでした。しかし、今は企業規模や業種を問わず、インターン制度もかなりありますので、実際に仕事(の一部)を経験してみることも可能です。まして東大生であれば、さまざまな職業に実際に就いている卒業生の方々が多いでしょうから、そういったルートも総動員して、働くことを実感しながらやりたいと思える仕事を積極的に探していくべきです。
そのプロセスを通して、自分自身の中に仕事を判断するうえでの価値観や判断基準が磨かれていくはずです。
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