東大生「やりたい仕事がない。弁護士かなぁ」 そこそこ休みが取れて、稼ぎのよい仕事を希望

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また、「ベスト」と思える仕事はその時々に応じて変わったりしますので、あくまでも「現時点におけるベスト」であるという前提で考えるほうがよいと思います。仕事は一度選んだらおしまい、では決してありません。仕事も人生も新たな発見の連続でできているものですよね。変わらないということはありえません。

仕事をしていく中で、自分の視野も広がりますし、学生の頃に想定していた「ベスト以上のベスト」が見つかる可能性だって大いにあります。

したがって、最初に入った会社や選んだ職業でその先ずっとやっていくのは、もはや現実的ではない。そのことも頭の片隅においておくべきです。

「一生」という硬直した考え方に注意

もちろん「生涯の仕事」が見つかればそれは幸福なことですし、実際、そういった人も多くいます。ただ、「新卒で選んだ会社や職業で一生」という硬直した考え方ですと、それこそFさんが疑問として書かれているように、自分を納得させるために「後づけで『やりたかったこと』として思い込む」ということになりかねません。そうなると、たちまち楽しくなさそうなオジサン・オバサンの出来上がりですので、ご注意ください。

繰り返しですが、仕事は一度選んだらおしまい、ではありません。仕事をしている人は皆、それぞれの状況に応じて、それぞれの「ベスト」を探そうとしています。学生のうちに「ベスト」を選んだらおしまい、というものではなく、よりよい仕事を見つけて選ぶべく、目先のことを皆、一生懸命頑張っている、というのが実態でしょう。

重要なのは、その時々に応じた「ベスト」と思われる仕事を選ぶべく、積極的に情報を取りに行くことです。

以前、私がベンチャー企業を東証に上場させた後に、某有名私立大学の学生数人が代表電話経由で電話をして訪ねてきたことがあります。いわく、「ベンチャーで働くって実際どうなんですか?」と。このときは上場直後で非常に忙しい時期ではありましたが、私は実際に会って対応をしました。そういう積極性は若ければ若いほど発揮するべきですし、評価されるものです。

Fさんもまだまだ悩む権利や時間があります。悩みに悩んだ末にたどり着いた、妥協でない仕事って楽しいですよ。今のスタートダッシュを生かして理想の仕事を探求するとともに、学生生活も楽しんでいただければと思います。お互い実りのある人生を送るべく、つねに視線を前向き、上向きでいきましょう!

※安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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