得意技と必殺技・パナソニック対タニタの「活動量計」対決!《それゆけ!カナモリさん》
■健康志向の高まりが生む新たな市場
そもそも「ダイエット」の本来の意味は「美容・健康保持のために食事の量・種類を制限すること(広辞苑第6版)」である。しかし、昨今は広義の日本語として痩身目的の運動までを含めて用いる場合が多い。また、健康ブームの一例としては、来年2月開催予定の「東京マラソン2011」で、定員3万2000人のマラソンに対して29万4469人が応募と、実に倍率9.2倍にも及んだ。10キロなども含めた応募人数は33万5147人と過去最高に上ったという。「マラソンまでは無理だけど、せめてウォーキングから…」という層も中高年だけでなく女性にも拡大している。漫然と歩くだけでなく、目標を決めて成果を確認するツールとして「歩数計」の販売も拡大し、少し古いデータだが、2007年の歩数計の販売台数は540万台程度と、2年前の2005年に比べて1.4倍拡大した(SMBCコンサルティング)という。
さらに機器は進化し次なる主戦場は「活動量計」に移行すると予想される。
10月7日付日本経済新聞「新製品バトル」のコーナーにタニタとパナソニックの活動量計の比較が掲載されていた。歩数計が歩行した歩数を計測することを基本とし、それによるカロリー消費量などを計算・表示する機能を有するものを指すのに対し、活動量計は、特定の運動・特定の時間だけでなく家事や仕事などのあらゆる日常活動における動きを計測し、消費カロリー量を算出してくれるのだ。
マラソンに挑戦しようという超健康志向アクティブ層はいうに及ばず、ウォーキングという軽い運動すら継続の自信を持てない人も多い。だからといって、諦めるわけにはいかない。そんな層にとっては歩数計と活動量計の違いは大きい。ダイエットのためにはとにもかくにも、「摂取カロリー < 消費カロリー」の状態を継続するしかない。日常の活動全体の中で、目標達成に足りない消費分知ることができれば、消費を補う運動をするなり、摂取する食事量を制限するなりと手立てができる。格段にダイエットの成功率が高まる(と、思うことができる)。
先に紹介した日経の記事では、自分が消費しているカロリーに関心がある人の合計は8割近くに達する。しかし、実際に計測している人は7%にすぎない。活動量計を「買いたい」「買ってもよい」と答えた人は合計53%で潜在的な需要は大きいと分析している。
さて、パナソニックとタニタの活動量計は両社の戦略ポジションを如実に表した製品となっている。
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