中国でも国産アニメ産業が自立へ、子供に中国産コンテンツを見せるようになった若い親たち


このため、中国の各アニメーション制作企業は中国のアニメ産業を何とか立ち上げようと、日本の同企業に技術力ではなくコンテンツ力を借りようとしている。

中国の若者は昔と変わらず日本のコンテンツ漬けになる一方で、その下の世代の「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」を視聴する子供世代が、従来の世代と異なり日本のアニメを見ずに中国のアニメを見るようになった。
 
 きっかけとなったのは善玉の羊たちと悪玉の狼によるドタバタアニメ「喜羊羊与灰太狼(シーヤンヤンとホイタイラン)」だ。 喜羊羊与灰太狼のアニメ自体は無料で配信したが、その人気から映画化・舞台化され、デパートのおもちゃ売り場に正規版の喜羊羊与灰太狼グッズが並び、ビジネス的にも成功を収めた。

「喜羊羊与灰太狼」の成功はまた、「中国産幼児向けアニメは悪くない」という意識を多くの消費者に植え付けたのか、その後出た鯉(コイ)の冒険活劇アニメ「小鯉魚暦険記」もそこそこ人気を博した。
 
 さらに近年、「葫芦娃」「黒猫警察」といった1980年代に放映されたクラシックな中国産アニメを今の技術でリニューアルしたことで、懐かしく感じた20代、30代の親や幼稚園の先生の一部が、家庭内や幼稚園内で積極的に映像を流すという話もよく聞くようになった。

ドラえもんを積極的に見せようとはせず、喜羊羊与灰太狼を見せようとする家庭もある。DVDや動画共有サイトで配信される海賊版のドラえもんは、20~30年前に放送された古い動画がいまだに現役であり、その古さの印象から喜羊羊与灰太狼を選ぶと取材した親は語る。

中国の親は教育熱心なため、彼らをターゲットにした子供向けのノートパソコンのような形状の学習機が、書店などで絶賛発売中だ。メーカーは売れる製品をリリースすべくキャラクターを使用するが、ここでもドラえもんを採用した製品(タイトル横写真)と喜羊羊与灰太狼を採用した製品がシェアを奪い合う。

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