シャープのガラパゴス~「和魂洋才」の心を持った「ハイブリッドイグアナ」誕生?《それゆけ!カナモリさん》

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シャープのガラパゴス~「和魂洋才」の心を持った「ハイブリッドイグアナ」誕生?《それゆけ!カナモリさん》

■日本の魂を込めつつ、アップルに学ぶ

 家電やITの国際見本市「CEATEC JAPAN2010」が5日から幕張メッセで開幕したが、日本勢の電子書籍端末やスマートフォンが実に面白い動きを見せている。

 電子書籍の配信からスタートする、シャープのクラウド事業“GALAPAGOS(ガラパゴス)”の専用端末。商品名が「自虐的」とも揶揄されるが、シャープは広報の発表で、常に新鮮なユーザー体験をもたらすサービスと端末の「進化」の象徴として、イギリスの地質学者・生物学者のチャールズ・ダーウィンの「進化論」で有名なガラパゴス諸島に由来していると発表している。

 だが、ネーミングに込められた想いはもっと深そうだ。2010年10月9日付週刊東洋経済の記事「『ガラパゴス』に託したシャープ、変革への野心」の中で、同社の片山幹雄社長は「日本製品の先行きに多くが悲観的になっているが、そこへのアンチテーゼの意味を込めた」と語っている。DiginfoがニュースをYoutubeにアップしているので、観てみてほしい。

 ネーミングに関してはネット上で賛否両論が渦巻き、Twitter上ではかつてのシャープのキャッチフレーズ「目の付け所がシャープでしょ」をもじって、「目の付け所がガラパゴス」ともツイート(つぶやき)されていたが、言い得て妙というか、それこそがこの商品の本質を突いている。ガラパゴス島の生物は、島の外来種に必死に対抗して生きている。外来種とはアップルのことに他ならない。

 シリーズには2つのサイズが用意されていて、5.5インチの「モバイルタイプ」と10.8インチの「ホームタイプ」である。アップルのiPadは9.7インチと持ち歩くには大きく、かといって、3.5インチのiPhoneのサイズではちょっと(筆者の年代では非常に)つらい。5.5インチのモバイルタイプは、いってみれば、文庫本サイズともいうべき大きさで、混んだ日本の通勤電車で使用するにはもってこい。狭い島国の地の利を活かした展開であるといえるだろう。

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