シャープのガラパゴス~「和魂洋才」の心を持った「ハイブリッドイグアナ」誕生?《それゆけ!カナモリさん》

 ただ、ハイブリッドには、少々心配なことがある。イグアナに限らず、多くの種で交雑は起こる。しかし、その多くには生殖能力がなく一代限りとなる。ハイブリッドイグアナも現在の所、生殖機能が備わっているかは不明であるという。スマートフォン戦争の「徒花」になる可能性もある。

 「進化論」のダーウィンの言葉としてネット上でよく誤用される言葉がある。

 「強い者が生き残ったわけではない。賢い者が生き残ったわけでもない。変化に対応した者が生き残ったのだ」。いかにもダーウィンが語った風な言葉だが、「種の起源」にその一説はないという。

 その説を引用するなら、「生物の進化は、すべての生物は変異を持ち、変異のうちの一部は親から子へ伝えられ、その変異の中には生存と繁殖に有利さをもたらす物がある(略)そして限られた資源を生物個体同士が争い、存在し続けるための努力を繰り返すことによって起こる自然選択によって引き起こされる」。

 「変化に対応した者が生き残ったのだ」と、予めあるべき変化を予想できるほど、昨今の技術の進化や世界の変化は簡単ではない。故に、「存在し続けるための努力を繰り返すこと」が欠かせないのであり、幾多の失敗の積み重ねから、「変異のうちの一部は親から子へ伝えられ、その変異の中には生存と繁殖に有利さをもたらす物がある」ことを見極めることが大切なのだ。

 その意味からすると、今回の「和魂洋才」的なガラパゴスの取り組みも、スマートフォン+ガラケーハイブリッドも「存在し続けるための努力」の一つだ。結果を楽しみに見守りたい。
(写真:梅谷秀司)

《プロフィール》
金森努(かなもり・つとむ)
東洋大学経営法学科卒。大手コールセンターに入社。本当の「顧客の生の声」に触れ、マーケティング・コミュニケーションの世界に魅了されてこの道18年。コンサルティング事務所、大手広告代理店ダイレクトマーケティング関連会社を経て、2005年独立起業。青山学院大学経済学部非常勤講師としてベンチャー・マーケティング論も担当。
共著書「CS経営のための電話活用術」(誠文堂新光社)「思考停止企業」(ダイヤモンド社)。
「日経BizPlus」などのウェブサイト・「販促会議」など雑誌への連載、講演・各メディアへの出演多数。一貫してマーケティングにおける「顧客視点」の重要性を説く。
◆この記事は、「GLOBIS.JP」に2010年10月8日に掲載された記事を、東洋経済オンラインの読者向けに再構成したものです。
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