「いじめは悪いこと」と諭す人に欠けている視点 「他人からの期待や評価」が問題の隠蔽を招く

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私たちは、他人からの評価を「本当の自分」と思い込みがちです(写真:ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA)
私たちは他人からの評価を気にするあまり、自分がどのような人間であるかを見失い、どのような人間になりたいのかがわからなくなってしまう。また、自分とは違う人間を認めなかったり、他人の成功を嫉んだりしてしまう。
4000万人ものSNSフォロワーを誇る作家、ポッドキャスターのジェイ・シェティは、僧侶となるべく修行を重ねた経験をもとに、自分らしく生きるためのメソッドを紹介し、世界中から熱狂的な支持を得ている。
世界30カ国以上で刊行され、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー1位ともなり、昨年8月に日本語版が刊行されたシェティの著書、『モンク思考』。
今回、『こども六法』の著者で、教育研究者、ミュージカル俳優、写真家として活躍する山崎聡一郎氏に、本書から得られる学びと「子育て」への応用について、話を聞いた。

「他者から期待される自分」にこだわるな

《僕らは他人の目に映る自分を見て、それが自分かもしれないと思っている。しかも、その屈折した自己像をもとに人生の決断を下していることに、たいして疑問も抱かない》

『モンク思考:自分に集中する技術』特設サイトはこちら(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

『モンク思考』のこのフレーズは印象に残りました。本書では、自分自身と対話しましょうということが何度も書かれています。

人は「自分はこういう人間である」と理解しているのではなく、他者から「これを期待されている」「こう思われている」ということを内面化して、自分がそのような人間であると思っていることがよくあります。

僕は子どもたちを相手にいじめの講演会をすることがよくありますが、子どもたちからも、この点に関連する悩みをよく聞きます。

多くの学校では、「いじめを見て見ぬふりをするのも加害者だ」という指導をしています。それで子どもたちは、「自分はいじめを見ても止められない」ということに悩んでしまうのです。

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