やっと見えたBEV普及の道!日産主導の連携戦略 カギは電池再生、平時活用、自治体との連携強化

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
小田原市内のキャンプ場で、カーシェアの「リーフ」を電源車として活用している様子(写真:小田原市)

やっとBEV(電気自動車)の本格普及に向けた道筋が見えてきた。先導役は、BEV大量生産・販売を世界でいち早く導入した日産だ。

直近でBEV関連の大きな話題といえば、ソニーグループの新事業がある。

2022年1月上旬にアメリカ・ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー展「CES 2022」に量産化を念頭に置いたBEVコンセプトモデルの第2弾を出展し、あわせてソニーグループとして初の自動車関連事業会社「ソニーモビリティ」の設立を発表した。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

ソニーのほかにも、アップルの自動運転BEV関連の社内事業「プロジェクトタイタン」が進行中といわれており、こうしたIT系企業による独自BEV開発が、グローバルでのBEV本格普及に向けた起爆剤になるとの見方がある。

また、トヨタが2021年12月に「バッテリーEV戦略に向けた説明会」を開き、「2030年までにグローバルで年間350万台の新車をBEV化する」との発表を行っている。近年中に発売予定のBEVコンセプトモデルをズラリと並べて、詰めかけた報道陣の度肝を抜いた。

このような世の中の派手な動きとは対照的に、2010年代初頭からBEV戦略での実績を積み上げてきた日産は、「リーフ」を基盤に上級SUVの「アリア」を市場導入する。

2021年に受注を開始し、まもなく納車が始まる「アリア」(写真:日産自動車)

事業構造改革計画「NISSAN NEXT」を着実に進める中で、ルノー・日産・三菱アライアンスにおける、日産としての「選択と集中」を明確にし、BEV戦略では地に足が着いた現実的な方策を打ち出している印象がある。

そして、地に足の着いた事業の代表例が、BEV搭載バッテリーの再生化を事業の柱とする、フォーアールエナジーだ。

4R=Reuse、Refabricate、Resell、Recycle

フォーアールエナジーは、日産と住友商事が51:49の割合で出資する合弁事業として、リーフ発売の1カ月ほど前の2010年9月に設立された。

社名のフォーアールは「4R」であり、Reuse(再利用)、Refabricate(再製品化)、Resell(再販売)、そしてRecycle(リサイクル)の4つのRを指す。これら4つのRによって、低炭素社会で好循環サイクルを実現するためには、電池の再利用には大きく4つの柱があるとの見方を示す。

次ページ市場価値向上から資源の保存まで
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事