テスラにポルシェ…最新BEV乗って感じた現在地 モデル3、タイカン4CT、iX3、EQAを一気乗り

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今回、試乗したテスラ「モデル3」のインテリア。操作を中央のディスプレイに集約している(筆者撮影)
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目の前に相模湾が広がる、大磯ロングビーチ(神奈川県中郡大磯町)の駐車場に、輸入車各メーカーの最新モデルが合計62台、ズラリと並んだ。毎年、恒例の日本自動車輸入組合(JAIA)が主催するメディア向け合同試乗会である。

今年の注目は、なんといってもBEV(電気自動車)だろう。ヨーロッパを基点に一気に加速するEVシフトの影響により、ヨーロッパの各メーカーが日本市場向けにもBEVを拡充する動きが出ている。今回の合同試乗会では、試乗車62台のうち2割をEVが占めていた。

また、2021年にテスラ「モデル3」が価格改定により約80~150万円もの値下げを行ったあと、日本市場でモデル3の販売台数も一気に上昇傾向にある。

試乗枠は、試乗者が希望を出したうえで抽選によって決まる。筆者は今回、1枠80分の合計5枠のうち、4枠でBEVに乗ることができた。

大磯ロングビーチ駐車場を拠点に開催された、JAIA合同試乗会の様子(筆者撮影)

試乗した5台は、乗車順にポルシェ「タイカン4クロスツーリスモ」、テスラ「モデル3  ロングレンジ(デュアルモーターAWD)」、ディーゼルエンジン車のフォルクスワーゲン「ゴルフ TDI Active Advance」、BMW「iX3 M Sport」、そしてメルセデス・ベンツ「EQA」だ。このうち、ゴルフ以外の4台がBEVである。

本稿では、各モデルの試乗インプレッションを詳しく紹介するというより、BEV新時代に向かって積極的に導入が進む欧米BEVを軸足に、自動車産業界におけるBEVシフトの現在位置を再確認してみたいと思う。

人は「エンジン」を忘れてしまうのか?

試乗した4台のBEVは、ボディ形状や商品性はそれぞれ異なり、価格にも大きな開きがある。だが、BEVの本質である「出足の良さ」「動力系からの音と振動の少なさ」については当然ながら共通点がある。

ポルシェ「タイカン4クロスツーリスモ」は、見た目によらず町中での取り回しは楽だった(筆者撮影)

しかし、NVH(騒音/noise、振動/vibration、路面からの突き上げ/Harshness)の観点では、床下にある大型のリチウムイオン電池の影響を強めに感じるモデルと、あまり気にならないモデルとにわかれた。そのほか、アクセルOFF時の回生ブレーキの強さにもかなりの差を感じた。

いずれにしても、どのBEVでも30分ほど走っていると、乗り味については「このクルマはこれが当たり前」という感覚になってくる。そして、こうしてBEVにばかり乗っていると、「電気で走るクルマに乗っている」という違和感を持つことは完全になくなる。

そんな中、BEVとBEVの間でゴルフ TDIに乗ると、妙な言い方かもしれないが“とても新鮮なクルマ”に感じた。

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