保守化する「韓国の10代男子」に教師が語ること 男性教師がフェミニズムを教える意義と葛藤

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韓国の男子高校でフェミニズムの授業を教える男性教師が今の男子高生に感じることとは(写真:PanKR/PIXTA)
女性でさえ堂々と自分はフェミニストだと主張しにくい中で、男性がフェミニストを標榜するのは勇気がいることだ。だが、韓国には男性教師でありながら、男子高生にフェミニズムを教える、生粋のフェミニストがいる。
フェミニズムの授業を始めて6年。韓国・北東部の明倫高等学校で教鞭をとるチェ・スンボム氏は、「かつてより保守的になっている」という男子高生たちに「フェミニズムは女性のためではなく、すべての人が生きやすくなるためのもの」と説いている。
特集「激震『韓国フェミニズム』知られざるその後」3日目2本目は、『私は男でフェミニストです』の著者でもある国語教師、チェ氏に授業の内容や、韓国でのジェンダー教育の現状を聞いた。
【特集3日目のそのほかの記事】
第1回:性少数者は「韓国社会」で20年間どう戦ってきたか
第3回:韓国文学ブーム引っ張る「女性作家たち」の凄み

10代男子の保守化も進んでいる

――韓国では2016年以降、フェミニズム運動が活発化していますが、ジェンダー平等は進んでいると感じますか。

統計など数値に基づいて改善されたと言える根拠はありません。むしろ、より悪化したと感じており、20〜30代の男性間でフェミニズムに対する抵抗感がものすごく深刻化しています。

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最も大きい要因としては、経済的に低成長基調にあり、二極化も深刻化していることにあると思います。親世代と比べて、より豊かになる可能性がほとんどないと言える状況で、より大きい絵を、より大きい視野で見ることができない。自分はなぜ貧しい状況にあるのか、なぜ自分は就職できないのかといった、といったことに意識が向いています。

チェ・スンボム氏の著書『私は男でフェミニストです』

そうした中で、より攻めやすい対象、弱い対象として女性を選んだように思われます。例えばアメリカでは黒人が攻撃される、また日本に例えますと在日が攻撃される、そのような状況と似ていると思います。

――先生の場合は男子高生にフェミニズムを教えているわけですが、10代男性はフェミニストについてどんなイメージを持っているのでしょうか。

実感では、彼らより保守化し、過去よりフェミニズムのイメージは悪化していると思います。フェミニズム授業を始めてから6年目になりますが、時間が経てば経つほど悪化していて、教える内容の深さもだんだん浅く、薄く、軽くなっています。

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