10代男子の保守化も進んでいる
――韓国では2016年以降、フェミニズム運動が活発化していますが、ジェンダー平等は進んでいると感じますか。
統計など数値に基づいて改善されたと言える根拠はありません。むしろ、より悪化したと感じており、20〜30代の男性間でフェミニズムに対する抵抗感がものすごく深刻化しています。
最も大きい要因としては、経済的に低成長基調にあり、二極化も深刻化していることにあると思います。親世代と比べて、より豊かになる可能性がほとんどないと言える状況で、より大きい絵を、より大きい視野で見ることができない。自分はなぜ貧しい状況にあるのか、なぜ自分は就職できないのかといった、といったことに意識が向いています。
そうした中で、より攻めやすい対象、弱い対象として女性を選んだように思われます。例えばアメリカでは黒人が攻撃される、また日本に例えますと在日が攻撃される、そのような状況と似ていると思います。
――先生の場合は男子高生にフェミニズムを教えているわけですが、10代男性はフェミニストについてどんなイメージを持っているのでしょうか。
実感では、彼らより保守化し、過去よりフェミニズムのイメージは悪化していると思います。フェミニズム授業を始めてから6年目になりますが、時間が経てば経つほど悪化していて、教える内容の深さもだんだん浅く、薄く、軽くなっています。
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