面接対策として「自己分析」「志望動機」「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」「自分軸」などの言語化に時間を使う学生は多い。これらはもちろん重要だ。ただ、言葉を磨いても面接官の好意は得られない。コミュニケーションの印象の93%は、「非言語」で決まるからだ。これを「メラビアンの法則」と言い、コミュニケーションの基本原則だ。
これはアメリカの心理学者アルバート・メラビアンが1971年に発表した法則。簡単に言うと、「言語情報」(話の内容)からの影響は7%に過ぎず、「聴覚情報」から38%、「視覚情報」から55%の情報を受ける。
これはわれわれの体験からも理解できる。政治家や芸能人の人気も見た目と身振りに影響されている。大学でもとても面白い講義がある半面、退屈な講義もある。ところが、面白い講義のはずなのにまるっきり理解が薄く試験ができないこともある。
“模範解答”はニセモノ
面接では「はきはき」「はっきり」という言葉が使われる場合、身振りや言語でわかりやすく意思表示する学生へのプラス評価を示している。
「はっきりとうなずく等のアクションが大きい」(その他サービス・300人以下)
「明るくハキハキしているか。論理的に話を展開できるか。行動できるか」(その他サービス・300人以下)
学生は少しでも良く見せようと練習し、身構えて面接に臨むが、面接官はそういう態度を嫌う。「素のままの姿を見せてほしい」という声は多い。ときおり勘違いしている学生がいるが、「素のまま」は「何も勉強せず準備していない状態」という意味ではない。準備を積み重ね、考えて少しずつ成長して、「人に言われる言葉ではなく、自分の考えた言葉で話す」という意味だ。
「テンプレートでなく自分の言葉で話せる学生。何を実現したいのかが明確で、そのための行動にぶれがない学生。質問の意図を理解して、的確な回答ができる学生」(情報サービス・インターネット関連・300人以下)
「背伸びや誇張のない発言内容で、自分の言葉で話すことができる学生」(ビジネスコンサルタント・シンクタンク・300人以下)
「基本的なことで、あいさつがしっかりしている方、自分の言葉で回答される方」(不動産・300人以下)
無料会員登録はこちら
ログインはこちら