採用担当に好印象「面接で評価が高い学生」の特徴 ビジネス能力より「言葉のキャッチボール」重視

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成功する会話とは好意の獲得なので、ポジティブワードを使うと会話はスムーズに進む。例えば、自分の高揚した気分だ。「最高の気分でした」「とってもワクワクしました」と経験を形容すれば、前向きな姿勢が伝わる。

「ポジティブワードがあるか、取り組んできた業務に感心できることがあるか」(輸送機器・自動車・301~1000人)

「用意している回答ではなく、臨機応変に的確に回答できる学生」(フードサービス・1001人以上)

コミュニケーション力がすべて

これまでいろいろな評価軸を紹介してきたが、すべて「コミュニケーション」という一語に帰着するだろう。コミュニケーション力は「説得力」や「納得性」と言い換えることができる。面接官を共感、納得させる学生はコミュニケーション力が高いと評価される。

「コミュニケーション能力の高さ」(輸送機器・自動車・300人以下)

「基本的なマナーを備えていることを前提に、コミュニケーション力、積極性、柔軟性があり、ビジネスにかかわるさまざまな人と好感を持って意思疎通ができると感じられる学生」(食品・300人以下)

説得力や納得性のあるコミュニケーションを支えるのは、「ストーリー(物語性)」である。そして、そのストーリーの作り方は、起点の置き方で2種類ある。「バックキャスティング思考」と「フォアキャスティング思考」だ。

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今回のアンケートでは「バックキャスティング思考」(食品・301~1000人)を評価する声があった。これは「あるべき未来」から逆算して今の課題を考える思考法だ。

もう1つの思考法の「フォアキャスティング思考」は、起点を「今」において「未来」へと思考を進めていく。

いずれの思考法が正しいというものではない。キャリアプランでも、今を起点に「なれる」姿を考えることがあるし、将来の「なりたい」姿を起点に今やらねばならない課題を洗い出すこともある。この2つの思考法は面接トークでも有効だろう。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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