8代目ゴルフのディーゼルに乗って悟った超進化 技術磨き上げ、とことん心地よい「完全な黒子」に

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ディーゼルもガソリンモデルと同じ外観だ(筆者撮影)

まずはガソリンモデル。現行型ゴルフはいずれもマイルドハイブリッドシステムを組み合わせる。電動モーターは小型で出力は13PSと低いが、トルクは62N・mあるため、発進時にマイルドハイブリッドの効果を感じやすい。

モータートルクは1.0Lエンジンが発揮する最大トルクのじつに31%にも達する。それだけにエンジン出力/トルクともに低い極低回転域では、小型とはいえ電動モーターによるトルク増幅効果は大きい。

エンジン単体のトルクは1.0Lが200N・m、1.5Lでは250N・mを発揮するが、いずれもアクセルペダルが大きく踏み込まれ、装着しているターボチャージャーの過給圧が高まった際の値だ。

わかりやすくいえば、街中で交通の流れにそって発進加速を行う、そういったじんわりとした(≒過給効果が十分に発揮しづらい)アクセル操作では、発揮できる最大トルク値を体感しにくく、ここがアクセル操作に対する遅れを助長する大きな要因になる。

実際にはタイヤへ駆動力を伝達するトランスミッション(ゴルフではDSG)の効率も関係するものの、いずれにせよ燃焼行程によって力を生み出す内燃機関では体感までにタイムラグが伴う。

電動モーターは低回転域から力強い

一方、電動モーターは低回転域から力強い。フォルクスワーゲンでは最大値を発する回転数を公表していないが、一般的に電動モーターは通電直後から反応し始めることからタイムラグがなく、ドライバーの操作に対して体感が伴いやすい。

とはいえゴルフの場合、マイルドハイブリッドシステムの電動モーターは小型だから、筆者の印象では30㎞/hを超えたあたりからは“エンジンなり”の走行性能にもどる。ガソリンモデルは発進時こそ力強さを実感するが、走り出してしまえばマイルドハイブリッドシステムをもたない新型TDIの走行性能が2つのガソリンモデルを大きく上回る。

従来型TDIとの比較ではどうか? 東洋経済オンラインの当連載枠では「VW『ゴルフ』のディーゼルモデルは何が違うのか」(2019年11月8日)として筆者が従来型TDIの走行性能を、「TDIが本領を発揮するのはおおよそ30㎞/h以上」とレポートしている。対して新型TDIは発進時からスムースに速度を乗せていく。これには改良により伝達効率を高めたDSGも効いているようだ。

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