8代目ゴルフのディーゼルに乗って悟った超進化 技術磨き上げ、とことん心地よい「完全な黒子」に

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8代目に導入された「TDI」(筆者撮影)
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現行で8代目となるフォルクスワーゲン「ゴルフ」。このハッチバックモデルにディーゼルモデル「TDI」が加わった。2021年12月に追加された同モデルは、直列4気筒2.0Lターボディーゼル(150PS/360N・m)に7速DSGを組み合わせた。先代7代目ゴルフにもディーゼルモデルが導入されていたが、今回はエンジンを換装し「EA288evo」世代へと進化させている。

車両価格は、ガソリンモデル(直列3気筒1.0Lターボ&直列4気筒1.5Lターボ)の301万7000~388万8000円に対して、ディーゼルモデルは344万4000~408万8000円と最上位モデルでの比較では、ディーゼルモデルが20万円高められた。

ちなみにDSGはフォルクスワーゲンにおけるデュアルクラッチトランスミッションの名称で、フォルクスワーゲンのなかでは原則250Nmまでのエンジンには乾式、それを超えるトルクのエンジンには湿式を採用するという。よって、ゴルフTDIには湿式方式のクラッチが用いられた。

完全に黒子に徹したエンジン

ガソリンモデルのゴルフ(2021年6月導入開始)から車両サイズに変更はないが、車両重量は1310~1380kgのガソリンに対してディーゼルは1460~1480kgへと増加した。これはエンジン単体重量の増加以外に、性能向上による車体各部の補強、さらには排出ガスの浄化システムを先代から増強(AdBLue二重噴霧システムの採用)したことが関係する。

新型TDIの走行性能におけるハイライトは、「完全に黒子に徹したエンジン」だということだ。これはガソリン車両モデルでも感じたことだ。こう述べると「味気ない、つまらないエンジン」と誤解されてしまいそうがまったく逆で、これがとっても心地よい。

具体的には、どこからアクセルペダルを踏み込んでも欲しいだけの加速力がスッと生み出せる。例えるなら電動モーターのようなトルク特性でドライバーの思い通りに走れるのだ。TDIが搭載するDSGのギヤ比はガソリンモデルよりも低く、一速ごとに長い加速が楽しめる。

次ページどこから踏んでもすぐさま反応する走行性能の裏側
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