「セレンディピティ」の芽を潰す残念な上司の悪弊 「本当のことを言うと危険」な環境こそ危険だ

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セレンディピティが生じやすい組織とそうでない組織の違いとは(写真:tkc-taka/PIXTA)
人生において重要な転機となるようなチャンスが、他の人よりも頻繁に巡ってくるように見える人と、そうでない人はどこが違うのか。
その秘密を解き明かし、幸運なサプライズの頻度を増やし、それを良い結果につなげるフレームワークをまとめた本『セレンディピティ 点をつなぐ力』がついに刊行された。
経済学分野で世界トップクラスのロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で博士号を取得し、起業家としても活躍する著者が書いた同書から、セレンディピティが生じやすい組織と心理的安全性の関係について、抜粋・編集してお届けする。

エドモンドソン教授の発見

職場にいるとき、どれほど安全だと感じているかは、セレンディピティの生まれ方に大きな影響を及ぼす。安全な環境では予想外の出来事を打ち明けやすい。奇妙で一見とんでもない出会いや発見、あるいはまだ生煮えのアイデアや構想などだ。

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ここでカギとなるのが「心理的安全性」だ。これは、自己イメージあるいは自らの立場やキャリアに悪影響を及ぼすのではないかという不安を感じずに、自分らしくふるまうことができるかどうかを指す。

ハーバード・ビジネススクール教授のエイミー・エドモンドソンは長年の研究を通じて、心理的安全性が健全な企業文化や優れたパフォーマンスのカギを握ることを示してきた。

エドモンドソンの研究が注目を集めたきっかけは、1990年代に発表した「失敗についてよく議論する組織ほど、パフォーマンスが高い傾向がある」とした研究成果だ。

当初はエドモンドソン自身もこの結果に衝撃を受けた。パフォーマンスが高いチームのほうが失敗が多いのか、と。

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