「セレンディピティ」の芽を潰す残念な上司の悪弊 「本当のことを言うと危険」な環境こそ危険だ

エドモンドソン教授の発見
職場にいるとき、どれほど安全だと感じているかは、セレンディピティの生まれ方に大きな影響を及ぼす。安全な環境では予想外の出来事を打ち明けやすい。奇妙で一見とんでもない出会いや発見、あるいはまだ生煮えのアイデアや構想などだ。
ここでカギとなるのが「心理的安全性」だ。これは、自己イメージあるいは自らの立場やキャリアに悪影響を及ぼすのではないかという不安を感じずに、自分らしくふるまうことができるかどうかを指す。
ハーバード・ビジネススクール教授のエイミー・エドモンドソンは長年の研究を通じて、心理的安全性が健全な企業文化や優れたパフォーマンスのカギを握ることを示してきた。
エドモンドソンの研究が注目を集めたきっかけは、1990年代に発表した「失敗についてよく議論する組織ほど、パフォーマンスが高い傾向がある」とした研究成果だ。
当初はエドモンドソン自身もこの結果に衝撃を受けた。パフォーマンスが高いチームのほうが失敗が多いのか、と。
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