コロナで人気「移動コンビニ・スーパー」最新事情 ローソンは「都心の高齢者施設」の開拓に本腰
サービスの現状はどうなっているのか、ローソンに話を聞いた。同社の場合、販売場所は、屋外の中山間地や高齢者施設での販売、屋内の高齢者施設、工場、学校などさまざま。屋外の販売では、4温度帯(常温・20度、5度、マイナス18度)で400種類の商品が陳列可能。最近は、自治体との連携で限界集落や買い物困難地区をカバーするケースよりも、高齢者向け施設などでの移動販売が急増している。
「コロナ禍で高齢者を外に出したくない、買い物も施設内で完結させたいと望まれる高齢者施設が増えています」(ローソンのマイクロマーケット推進部の担当者)
ユニークな事例もある。舞台は川崎市の高齢者施設。移動販売スタート時は1施設のみだったのが、実施後、他の施設からの要望が相次ぎ、現在は訪問先が18施設にまで増えた。ある施設では、移動販売時に川崎市を通じ地元商店が共同出店し、野菜や補聴器の販売まで行っているという。地域との共存スタイルだ。
圧倒的人気は「バナナ・牛乳・ヨーグルト」
いったい、どんな商品が人気なのか。中山間地や団地などでは野菜や豆腐、生鮮品などスーパーに近い食材が人気。これは利用客が自ら料理をするために買い求めるためだ。一方、高齢者施設での人気商品はまったく異なる。
「バナナ、牛乳、ヨーグルト、この3商品は圧倒的な支持を得ています。カラダにいいというイメージをお持ちなのでしょう。アイスクリームも根強い人気があります。高齢者施設では食事は提供されますので、おやつやスイーツ、お酒のツマミなどをお求めになる方が多いですね。あと、季節のイベントに応じた商品、節分であれば恵方巻、土用の丑の時期であればうな重などもご要望が多いですね」(前出の担当者)
高齢者たちにとっては移動販売での買い物は、今では楽しみのイベントとなっている。欲しいものをメモしてくる人、販売員との会話を楽しむ人、欲しい商品のリクエストをする人、それぞれの人たちの目が輝いているという。利用客とのコミュニケーションが欠かせないから、初めて訪れたスタッフはなかなか相手にしてもらえない。同じ人が通い続けることが大事なのだ。
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