コロナで人気「移動コンビニ・スーパー」最新事情 ローソンは「都心の高齢者施設」の開拓に本腰

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食品宅配の「オイシックス」などを運営するオイシックス・ラ・大地傘下で「移動スーパー」事業を営む「とくし丸」も事業拡大が続く。全国各地のスーパーと提携し、同社がサポートする「販売パートナー」が移動販売を行っている。2012年に徳島で創業、2016年にオイシックス・ラ・大地の子会社となり、創業者の住友達也氏は現在も取締役ファウンダーを務めている。

とくし丸のビジネスの仕組みは、まず各地のスーパーと契約し、スーパー側は車両1台につき契約金50万円と月3万円のロイヤリティーをとくし丸に支払う。スーパーの商品をクルマで販売するのは、個人事業主の「販売パートナー」。彼らがスーパーと販売委託契約を結び、パートナーが自前で購入した車両(移動スーパー・とくし丸)で80代‐90代が中心の顧客のもとを週2回訪問するというものだ。

最新の車両稼働状況は2021年12月末時点で948台。47都道府県で走っている。提携スーパー数は141社。顧客数は約14万人。1台当たりの販売商品数は約400品目、1200点。人気商品はお惣菜、青果、精肉、鮮魚などとなっている。1台当たりの平均日販は約10万円(2021年)で、販売パートナーの平均的な月収(手取り)は約36万円だという。

今後の市場ニーズをどうとらえているのか。

「高齢化に伴い買い物にお困りの高齢者は増えていますので、今後4000-5000台は稼働できると考えています。この先、社会が大きく変化していくなかで、健康不安をはじめさまざまなサポートを必要とする高齢者が増えていきます。現在も各地の自治体と見守り協定を締結していますが、今後、物販にとどまらず、どんなサービスが提供できるか考えていきたいですね」(とくし丸の広報担当者)

独自のビジネスモデルで高齢化社会のニーズをいち早くつかみ、さらなる事業拡大につなげていくということか。

一方、コンビニは?

スーパー各社が専門業者に委託しているのに対し、コンビニは自前主義を貫いている。最大手のセブンイレブンは「セブンあんしんお届け便」を109台稼働させている(2021年12月末現在)が、これを2025年には200台に倍増させる計画だ(スーパーのイトーヨーカドーはイトーヨーカドーとくし丸が現在75台、2025年末に100台の予定)。ローソンは移動販売サービスを実施している店舗は2021年12月末現在で122店、移動販売車54台、軽バンタイプ48台の合計102台となっている。

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