金曜に幸福感の高まる人が多い意外な事実の根拠 妄想であっても期待することで心は前向きになる

週末にワクワクする気持ちが幸福感につながるのです(写真:Elnur/PIXTA)
もし、「妄想」にメンタルを向上させる効果があるとしたら? スウェーデン・ストックホルム商科大学で幸福感を研究するミカエル・ダレーン教授は、「『いいことが起きる』という前向きな想像が幸福感を上げることは学術的に確認された事実です」とその効果を話します。
「幸福感の高い人とそうでもない人の間の意外な差」(1月7日配信)に続いて、ダレーン教授の著書『幸福についての小さな書』より一部を抜粋・再構成して寄稿します。
人の幸福感が最も上がるのは何曜日?
研究で見つけた幸福感を上げる具体的な行動の1つが、「いい未来を想像する」という方法です。時間と場所を問わず、また道具もいらないので手軽にできるメンタル向上法です。
とはいえ、いきなり「想像に効果がある」と言われてもなかなか信じにくいと思いますので、私がこの発見にいたった調査からご紹介しましょう。
数千人のスウェーデン人を対象に「あなたはどのくらい幸福ですか?」と尋ね、1から10までの数字に丸をつけてもらう調査をしたときのこと(数字が大きくなるほど幸福度も上がる)。結果、「金曜日」に尋ねられた人ほどより高い数字を丸で囲む傾向にあることが判明しました。
この理由は、まもなく始まる「休日」を楽しみにしているから。数百万のツイートやウェイボー(中国のTwitterに相当)を分析した調査でも同様の傾向が見られ、「人々がいちばん幸福感を示すのは金曜日」という実態がわかりました。
そしていざ休日が始まると、幸福度合を示すカーブはゆっくりと下降していきます。つまり、私たちが最も幸福なのは「平日は忙しくてできないこと」ができる休日ではなく、それをしようと考えている休日の前の日なのです。
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