幸福感の高い人とそうでもない人の間の意外な差 徒歩など通勤で軽く運動するだけでも違ってくる

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体を動かすことは幸福感に影響を与えます(写真:jessie/PIXTA)
毎年、国連から『世界幸福度ランキング』が発表されると、日本の順位の低さが話題になります(2021年は日本56位)。スウェーデン・ストックホルム商科大学で人の幸福感を研究するミカエル・ダレーン教授は、「幸福感にはノウハウがあり、『少し体を動かすこと』には魔法のような効果があります!」と、運動が身体のみならず心にも確実にプラスに作用すると太鼓判を押します。ダレーン教授の著書『幸福についての小さな書』より、運動とメンタルについて抜粋、一部再構成してお届けします。

「脈拍」が上がると気分が上向く

体を動かすことは、身体にとってだけでなく、メンタルにも非常にいい効果があります。「体を動かす」といっても、激しい運動でなく、地下鉄の駅でエスカレーターを使わず階段を登るくらいの運動量でOK。事実、地下鉄のホームから地上に上がってきた数百人を調査したところ、階段を使った人ほど幸福感が高く前向きな気持ちである傾向にありました。

とはいえ、「すでにポジティブな気分だった人が階段を登る余力があった」可能性もあります。そこで、ストックホルム中央駅でランダムに通行人に近づき、その場で、あるいは一緒に歩きながら幸福度を調査すると、歩きながら受け答えをした人のほうが平均して少し幸せな気分になっていました。

階段を上ったり少し歩いたりするだけで幸福感が上がるのは、「心拍数」の上昇が関係します。

ある研究で、被験者に幸せな記憶を思い出してもらったり、感動系の映画を観てもらったりしたところ、幸福度の上昇に合わせて心拍数が上がることが判明しました。

幸福を感じると心拍数が上がる――これは逆方向には作用しないでしょうか?

そこで100人ほどの被験者に、心拍数が上がったり下がったりするようにさまざまな負荷をかけた状態でエアロバイクを漕いでもらい、1〜10の数字に丸をつける形で幸福感を調査したところ(数字が大きいほど幸福度が高い)、心拍数が高いときほど大きい数字を選んでいました。心拍数を高めれば幸福感も比例して上がる結果が出たのです。

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