幸福感の高い人とそうでもない人の間の意外な差 徒歩など通勤で軽く運動するだけでも違ってくる

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とはいえ、日中体を動かす時間を確保するのが難しい人も多いでしょう。

そんな人にぜひお伝えしたいのですが、運動とメンタルの関係において、「場所」や「時間」は重要ではありません。

通勤でさえ、心を前向きにする時間に変えられる

あるスウェーデンの研究では、徒歩など運動をともなう通勤であれば、通勤時間が長いほうがより幸せな気分になることが判明しています。通勤でさえ、心を前向きにする時間に変えることができるのです。

『幸福についての小さな書』(サンマーク出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

毎日どこかで、エスカレーターやエレベーターではなく、階段を使うのはどうでしょう? なかなか普段運動する時間が取れない人でも、オフィス内を少し歩き回るだけで心が前向きになるのを感じられるはずです。

Joy of movement――「運動による喜び」は、あらゆる形で、毎日簡単に補給することができます。

「運動する気が起きない」という人は、運動と気持ちの順番を逆にして、「体を動かせば気持ちが上がる」と思ってほしいと思います。頭を空っぽにして、とにかくまず体を動かすのが賢明です。

スウェーデンをはじめ、デンマーク、韓国、イラン、そのほかさまざまな国の研究で、年齢に関わらず、体が元気になることで心も元気になることは証明された事実です。体を動かすことほど、効果と即効性を兼ね備えた「心を前向きにする方法」はないと言えるでしょう。

ミカエル・ダレーン ストックホルム商科大学経営戦略・マーケティング学部教授

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Micael Dahlen

ストックホルム商科大学経営戦略およびマーケティング学部教授。著者がスウェーデン王立劇場でおこなった「幸福について」というテーマのレクチャーは満席だった。著書に『Starkt kul(最強に愉快)』『Kaosologi(カオスの論理)』『Nextopia(次のユートピア)』『En liten bok om meningen med livet(人生の意味についての小さな本)』(すべて未邦訳)がある。これらの著書も、幸福に関する作品である。

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