幸福感の高い人とそうでもない人の間の意外な差 徒歩など通勤で軽く運動するだけでも違ってくる

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加えて、体温も、メンタルに関係します。

研究者が被験者の顔や指で体温を測定したところ、陽気な気分のときのほうが体温はやや高いことがわかりました。心拍数と同様、体温も逆方向に作用します。

高齢者の運動を調査した研究では、どんな運動でも幸福感は増したのですが、なかでも水泳のときの増加率が最も低く(体温が最も低い)、ウェイトトレーニングで増加率が最も高くなり(体温が最も高い)、散歩はその中間という結果になりました。

数々の「いいホルモン」が分泌される

運動はホルモン分泌とも関係します。体を動かすと、エンドルフィンやドーパミンなど「幸せホルモン」と呼ばれるホルモンが一斉に分泌されます。また、体の成長や修復を担う「成長ホルモン」や心地よい睡眠に欠かせない「セロトニン」の分泌も促進されます。心身にとって様々な側面でプラスに働く「いい物質」が分泌されるのです。

また、すぐにはっきりと効果が出るのも運動の嬉しいポイント。1万7000人のカナダ人の運動習慣を15年にわたり測定した調査によると、1日あたりの平均運動量が上がると幸福度が上がり、運動量が下がると幸福度も下がることが示されました。

携帯電話に速度センサーを取り付け、どれだけ動いたかを測定したスウェーデンの調査でも同様の結果が出ています。前述の1〜10の数字に丸をつける幸福度調査を1日のランダムな時間に行い、調査の数字と携帯電話の動きを調べると、直前に動いていたときのほうが平均して少し高い数字に丸をつけていたのです。

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