中国のスマートフォン大手の小米(シャオミ)は2021年12月28日、新型のフラッグシップ・スマホ2機種を発表した。6.28インチ・ディスプレーを搭載する「小米12」と、より大型の6.73インチ・ディスプレーを搭載する「小米12 Pro」だ。
シャオミの創業者で董事長(会長に相当)を務める雷軍氏によれば、これら2機種はアップルの「iPhone」をベンチマークに開発された。小画面の小米12はiPhone13を、大画面の小米12 ProはiPhone13 Pro Maxを、それぞれ直接の競争相手に位置付けているという。
新製品発表会の壇上で、雷氏はアップルについて何度も言及し、「シャオミは将来、一歩ずつアップルを超越していく」と語った。この発言について、市場関係者の多くは「アップルをベンチマークに据えることで、シャオミのハイエンド製品のブランドイメージを高めるのが狙い」と見る。
スマホの販売台数に関しては、シャオミは2021年の4~6月期にアップルを抜き、首位のサムスン電子に次ぐ世界第2位に躍り出た。だが、その後は勢いを維持できなかった。続く7~9月期には、シャオミの世界シェアは第3位に後退し、アップルが第2位に返り咲いた。
ファーウェイの空白埋めたアップル
シャオミが(アップルの牙城である)ハイエンド市場の攻略に挑むのは、今回が初めてではない。2020年以降、同社は(高機能・高価格の)ハイエンド・スマホを次々に投入。雷氏も事あるごとに、自社のハイエンド戦略について熱心に語ってきた。しかし今のところ、シャオミは販売台数でもブランドイメージでもハイエンド市場で存在感を示せていない。
中国のスマホメーカーは、シャオミ以外にもOPPO(オッポ)、vivo(ビボ)、栄耀(Honor)などがハイエンド市場の開拓にこぞって力を入れている。「自社ブランドの成長と国際化とともに、中国メーカーがハイエンド市場に参入するのは合理的な流れだ」。調査会社カナリスのアナリストの劉芸璇氏は、そう分析する。
だが、それは決して生易しい挑戦ではない。ハイエンド市場では、中国の華為技術(ファーウェイ)が2年前までアップルやサムスンに肩を並べる存在感を示していたが、アメリカ政府の制裁を受けてスマホ用半導体の調達が困難になり、市場シェアを大きく落とした。
カナリスの分析によれば、ファーウェイの後退で生じた市場の空白の大部分を埋めたのは(他の中国メーカーではなく)アップルだったという。
(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は2021年12月29日
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