中国のサービス業では景気の回復基調が続いているものの、その勢いは力強さに欠けるようだ。2022年1月6日に発表された2021年12月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は53.1と、前月(52.1)より1.0ポイント上昇。好不況の目安とされる50を4カ月連続で上回った。
サービス業の需要の動向を示す新規受注指数は、12月は4カ月連続の拡大基調を記録した。とはいえ、受注の伸びは小幅にとどまった。
調査対象企業からは、既存サービスへの需要や新規顧客の増加、新規サービスの投入などが売り上げを押し上げたとの回答が多数寄せられた。その一方、企業の一部からは「新型コロナウイルスの局地的流行の反復や(当局による)厳しい防疫対策が、受注を伸ばすための妨げになった」との声も聞かれた。
景気回復の持続を背景に、サービス業の12月の雇用指数は4カ月連続で拡大基調を維持し、2021年6月以降の最高値に上昇した。調査対象企業からは「仕事量の増加や、サービス提供能力を引き上げるための動きが、新規採用の拡大につながっている」との回答が多く寄せられた。
経営者の将来への楽観度が低下
サービス業へのインフレ圧力は緩和されつつある。12月は(仕入れ価格の指標である)投入価格指数および(販売価格の指標である)サービス提供価格指数の伸び率がそろって低下した。とはいえ、投入価格指数はインフレ基調とデフレ基調のボーダーラインを18カ月連続で上回っている。企業の視点に立てば、原材料価格も人件費も高止まりしている状況だ。
それだけではない。投入価格指数の伸び率は、サービス提供価格指数の伸び率を15カ月連続で上回っている。多くの企業が仕入れ価格の上昇を販売価格に十分転嫁できていない実態を反映しており、サービス業の経営者は(利ざやの縮小で)生き残りへの強いプレッシャーにさらされている。
そんななか、経営者の向こう12カ月間の楽観度を示す指数は、絶対値では依然高い水準にあるものの、長期平均線をはっきりと下回り、2020年10月以降の最低値を記録した。調査対象企業からは、新型コロナの世界的流行がいつ収束するのか、いまだ見通しが立たないことへの懸念が多く聞かれた。
(財新記者:程思煒)
※原文の配信は2022年1月6日
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