中国製造業、「景況感」改善が雇用増に結びつかず

「財新中国製造業PMI」、2021年12月は50を回復

中国の製造業PMIは2021年後半から、好不況の目安の50付近で一進一退が続く(図表作成:財新)

中国の製造業の景況感が一進一退を続けている。2022年1月4日に発表された2021年12月の財新中国製造業購買担当者指数(製造業PMI)は50.9と、前月(49.9)より1.0ポイント上昇。好不況の判断の目安とされる50を超えて好況圏に再浮上した。

製造業の事業活動は(電力不足や原材料価格の上昇など)供給サイドの制約が引き続き緩和したことを受けて、企業が生産を拡大。(供給側の指標である)生産指数は12月は拡大基調と縮小基調のボーダーラインを2カ月連続で上回った。さらに(新型コロナウイルスの局地的流行などの影響を受けていた)需要サイドも回復に転じ、(需要側の指標である)新規受注指数はボーダーラインを超えて拡大基調圏に上昇した。

調査対象企業からは、取引先からの引き合いや新規顧客が増加しているとの回答が多数寄せられた。ただし一部の企業からは、生産原価の上昇や(物流の混乱などで)原材料調達にかかる期間が長くなっていることなどが、新規受注を伸ばすための制約になっているとの声も聞かれた。

インフレ圧力は引き続き低下

懸念されるのは、景況感の改善が雇用の増加に結びついていないことだ。製造業の12月の雇用指数は2021年3月以降の最低値を記録し、5カ月連続の縮小基調となった。新規受注の増加の勢いが相対的に弱いことなどから、調査対象企業の多くが新規雇用に慎重な姿勢を保っている。

原材料の調達価格や製品の販売価格に関しては、鋼材など一部の原材料の価格が大幅に下落したことを背景に、インフレ圧力の緩和が続いた。その結果、製造業の12月の購買価格指数はインフレとデフレのボーダーラインをわずかに上回る水準まで低下。工場出荷価格指数は2020年5月以降で初めてデフレ基調に転換した。

本記事は「財新」の提供記事です

「2021年12月は製造業の景気が全体的に改善し、インフレ圧力も緩和した。しかし雇用情勢は依然として弱く、景気回復の足元は盤石とは言えない」。財新グループのシンクタンクCEBMのシニアエコノミストを務める王喆氏は、そうコメントした。

(財新記者:範浅蝉)
※原文の配信は1月4日

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