政府・日銀は欧米に対し政策ミスの危険に警鐘を


不安な米国経済

それどころか、米国では再び、住宅ローン問題に火がつきそうな情勢にあるほか、金融機関の資金調達に支障が出かねない事態にもなりつつある。流動性危機が再燃することも否定できないということである。

8月25日、米国のジャクソンホールで行われたバーナンキ・FRB議長の講演の中に、それを示唆するものがいくつかある。たとえば、同議長は、「短期金利をこれ以上引き下げると、多くの金融機関が短期金融市場から退出し、市場の流動性が大きく低下する」という警告を発している。

この発言は、ゼロ金利まで市場金利を下げた途端、短期金融市場に資金を提供する参加者がいなくなって、結局、資金の取り手である金融機関は、中央銀行による資金供給のみに依存せざるをえなくなることを説いていると思われる。市場機能はマヒし、金融政策が泥沼化するという、政策上の副作用が存在するということである。

しかし、米国の場合、問題はそれだけではない。もう一つ、短期金融市場という参加者が金融機関に限られたマーケットではない領域でも、同様の懸念を払拭できなくなりつつあるからだ。

その典型的なケースが貯蓄商品のMMF(マネーマーケット・ファンド)に出現しかねなくなっている。わが国とは異なり、米国ではMMFと銀行発行のCP(コマーシャルペーパー)は密接な関係を有している。MMFは銀行発行のCP、あるいはABCP(資産担保型コマーシャルペーパー)を数多く組み込んでいるからだ。裏返して言えば、銀行はMMF向けにCPを発行して、資金調達を行っている。MMFと銀行CPが同時的に拡大してきたのはこのためだった。

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